昭和香る「今日から俺は!!」が若者掴んだSNSの技 日テレプロデューサーが明かす綿密な戦略

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コメディを作るという、人を楽しませる精神は、SNSとの相性も良いのだと気づきました。

また現場でずっと一緒にいる身近な人間だとシャッターチャンスも多く、フラットな表情(居眠りショットなど)も押さえやすいため、キャストの愛らしさも伝えられ、彼らの人気上昇にも貢献できます。

「現場の楽しげな様子をフォロワーが面白がり、いちインフルエンサーとして拡散してくれ、また新たなファンを繋ぐ」。これは、コメディにとって理想的な宣伝施策だと確信しました。「今日から俺は!!」は、キャスト側に若手俳優が多く、SNSに柔軟で協力的だったこともあり、「左江内氏」で得たノウハウを戦略的に生かせる最高のフィールドとなったのです。

また、SNS戦略の1つに“ユーチューブ動画の充実”も掲げました。宣伝色の強いPR動画は敬遠されがちなので、“単体としても面白く、かつ宣伝効果もある動画を”と制作したのが「ヤンキークッキング」です。

キャラ紹介も兼ね、「バディごとに1分でコッペパンに好きな具材を挟んで、オリジナルパンを作るミニコント」を、シソンヌのじろうさんに書いていただきました。私がシソンヌのコントライブが大好きだったので、短いなかにしっかり笑いを落とし込むじろうさんのセンスを信頼しました。

動画投稿後、再生数はぐんぐん伸び、最終的に三橋(賀来賢人)&伊藤(伊藤健太郎)版が単体で1600万回超え。PR動画で最も再生された化け物コンテンツになったのです。

「ヤンキークッキング」も1日で200万回再生

これは映画でも有効な宣伝になると、映画用に「ヤンキークッキング」番外編も作りました。ユーチューブに投稿するやいなや、1日で一気に200万回再生を超え、3日間急上昇ランク1位を取り続けたときは、わかっていたはずなのに、改めて動画の拡散力、認知促進力に慄きました。

そして連ドラ放送時、最も爆発を実感したのが、3話放送前後に投稿した「今日俺ダンス」練習動画です。主題歌『男の勲章』をキャストが歌って踊るオープニング(OP)映像には圧倒的な画力があったので、OPが世間に浸透する3話あたりで、レクチャー用のダンス練習動画を出そうとは決めていたのですが、予想以上の反響でした。

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