ドル104円接近、イエレン議長講演に注目 FOMC議事録公開、早期利上げ観測が台頭
[東京 21日 ロイター] - 東京市場正午のドル/円は、前日ニューヨーク市場午後5時時点に比べてドル高/円安の103円後半。前日から続くドル買いの流れを引き継いで103.96円まで上昇。約4カ月半ぶりの高値をつけた。ただ、上値では利食いや調整も入りやすく104円の大台を目前に足踏みした。
前日海外時間には7月29─30日分の米連邦公開市場委員会(FOMC)議事要旨がタカ派的と受け止められ、市場に早期利上げ観測が台頭。103.30円台で推移していたドル/円は一時103.85円まで上昇した。
東京時間のドル/円は、日経平均株価の上げ幅拡大に歩調を合わせる形でじりじり上昇し、午前11時前に103.96円まで買い進められた。「海外の投機筋がドルロングのポジションを膨らませている」との声も出ていた。
きょうは米国で新規失業保険申請件数や7月の中古住宅販売件数、8月のフィラデルフィア連銀製造業景況感指数、製造業購買担当者景気指数(PMI)など多くの経済指標が発表される。指標発表後の米国の株価や金利の動向が注目される。
ユーロ/ドルは下値模索か
市場では、ドル高の背景の1つはユーロ安、との指摘もある。シティグループ証券のチーフFXストラテジスト、高島修氏は、地政学リスクに対する警戒が一服する中、本当の問題が欧州経済の弱さであることが明確に認知され始めたことが、ユーロ売りに拍車をかけているとみている。
前日海外時間から弱含んでいたユーロ/ドルは、東京時間に1.3242ドルまで下落し、2013年9月以来の安値をつけた。
ユーロ/ドルについては「テクニカル的なサポートが1.31ドル前半まであまり見当たらず、底を打った感はない」(外為アナリスト)という。ショートカバーを警戒しつつも、さらに下値を模索する可能性が指摘されている。
イエレン氏の講演に注目
FOMC議事要旨がタカ派的と受け止められたことで、目下、市場の関心は22日に米ワイオミング州ジャクソンホールで行われるイエレン米連邦準備理事会(FRB)議長の講演に集まっている。
米LPLファイナンシャルの投資ストラテジスト、ジョン・カナリー氏は「イエレン議長が(FOMC議事要旨のように)タカ派的な姿勢を示すとは思わない」と指摘。議長は労働市場の緩みに対する懸念をあらためて強調し、そうしたハト派的発言でドルは伸び悩むと予想している。
一方、国内金融機関の関係者は、ドル買いの勢いが強まったことで「講演がハト派路線だったとしても、ドルが大きく売られる可能性は低くなったイメージ。バランスの取れた内容でも、意外とタカ派的と受け止められてドル買いで反応する可能性がある」との見方を示していた。
ドル/円
正午現在 103.86/88 1.3246/50 137.58/62
午前9時現在 103.70/72 1.3257/61 137.48/52
NY午後5時 103.27/30 1.3258/63 137.56/60
(杉山健太郎)
記事をマイページに保存
できます。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら
印刷ページの表示はログインが必要です。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら