日本には欠けている、米国経済「強さの根本理由」 世界中の投資マネーを集める「決定的な」裏付け

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この違いは、恐らくそのまま経済力に反映されていくと思います。

ほぼ同じ期間内に、日本の人口は2300万人も減少するのに対し、米国の人口は4600万人もふえるのですから、両国の経済力が今以上に広がるのは、想像にかたくありません。

これから資産形成のために投資をするのであれば、まずこの事実をしっかり頭に入れておいてください。

これはもう断言してもいいのですが、米国経済は非常に強いのです。そして、資産形成で成功するためには、経済に限ったことではないのですが、「強い国」にお金を置いておくのが定石です。

結局、世界のお金は米国を目指す

世界には、さまざまな投資対象国・地域がありますが、結局のところ投資マネーというものは米国を目指すことになると思います。

自立した経済運営ができない日本。一人っ子政策の弊害がみえてきた中国。先進国経済の域に達するにはまだ時間を要するインド。これに加え、欧州経済もさまざまな問題を抱えています。

2009年に発覚したギリシャ国家財政の粉飾決算を引き金にして広がった「欧州債務危機」は一段落したものの、2016年6月23日に行われたイギリスの国民投票で、イギリスのEU離脱が決定。2020年1月31日にイギリスは正式にEUを離脱しました。これによるイギリス、およびEU加盟各国にどのような影響が生じるのかは、まだみえてきません。

こう考えると、世界中の投資マネーは結局、米国に流れていくと考えられます。

過去200年にわたって最高値を更新し続けてきた米国株式市場の歴史のなかで、投資家に支払われた配当金やキャピタルゲインは、莫大な金額になるでしょう。

また、米国は、資産の安定性が非常に高い国であるという点でも、世界の投資家を引きつけます。米国には、たとえどれだけ反米意識の強い人であったとしても、その人の金融資産をしっかり保全してくれるという伝統があるのです。

したがって、米国の金融制度は、資産の安全性を維持したいという人には、非常に適しているといえるでしょう。だから、中国や中東の人のように、政治的には米国と年中いがみ合っている人たちでも、むしろ積極的に自分が持っている資産の一部を、米国の銀行口座なのに分散させているのです。

これらの事実に加え、今後さらに米国経済は強くなっていくという見通しが明確になりつつあるからこそ、米国に世界中の投資資金が向かっているのです。

今回は、米国経済の強さの大きな理由、人口について解説をしました。人口以外にも、米国経済の成長を牽引する要因はたくさんあります。そう考えると、米国経済の未来は明るいといえるでしょう。

この記事を機に、米国経済、ひいては米国株にいままで以上に着目してみてはいかがでしょうか。

松本 大 マネックスグループ会長

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まつもと おおき / Oki Matsumoto

1963年埼玉県生まれ。1987年東京大学法学部卒業、ソロモン・ブラザーズ・アジア証券入社。1990年ゴールドマン・サックス証券に転じ、1994年史上最年少の30歳で同社のゼネラル・パートナーに就任。1999年ソニーとの共同出資でマネックス(現マネックス証券)を設立。25年間、社長・CEOとしてマネックスを牽引し続け、2023年6月より現職。経済審議会委員、 東京証券取引所その他複数の上場企業の社外取締役を歴任。現在はルビ財団ファウンダー・評議員、マスターカード社外取締役、ヒューマン・ライツ・ウォッチ国際理事会副会長、日本将棋連盟理事も務める。

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