JR東海「新幹線オフィス」、東日本とどう違うのか 東海道新幹線「のぞみ」10月から専用車両を設定

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「S Work車両」はJR東海の新幹線ネット予約「EXサービス」の専用商品として発売され、追加料金は不要。通常の指定席と同額で利用可能だ。みどりの窓口や駅の券売機では購入できない。当面は来年3月までの試行で、ビジネス客が少なく帰省客が多い年末年始は設定されない。

東海道新幹線では従来から「ほかの乗客の迷惑にならない限りは、携帯電話の会話はデッキに行かなくても自席で静かに話してもらえれば構わない」というスタンスを取っているが、周囲の席から迷惑だという声が上がる可能性を考えると、自席では電話をしにくい面があった。今回の車両では、「周囲のお客様へのご配慮のうえ座席での通話が可能」(JR東海)。また、ビジネス客の専用車両であり、ビジネス客とファミリー客が混在することで生じるトラブルは回避できる。

N700Sの場合は膝上クッションや簡易衝立の貸し出しもある(記者撮影)

ここまでは、車両の利用範囲の修正といったものにすぎず、ハード面の変化はない。しかし、乗車する列車が新型新幹線「N700S」の場合は話が違う。7号車の乗客にはノートパソコン用ACアダプタ、USB充電器、小型マウスといったPC機器が無料で貸し出される。さらに、「ノートパソコンを膝の上に置いて仕事したい」というニーズを受けて膝上クッション、「隣の人にパソコンの画面を見られたくない」という要望には簡易衝立の貸し出しも可能だ。

なお、貸し出し可能な数には限りがあり、借りることができない場合もある。「利用状況を見ながら貸し出し可能な機器の設置数を検討したい」(JR東海)という。

Wi-Fiもグレードアップ

N700Sの7号車および8号車(グリーン車)には現行の無料Wi-Fiサービスに加えて、暗号化することでセキュリティ面に配慮した新たな無料Wi-Fiサービスが追加される。現行のサービスは利用時間に制限があり、30分おきに接続する必要があるほか、通信容量の関係から、大勢の乗客が利用した場合などに動画が見づらくなるといった課題があった。

新たなサービスは利用時間の制限を設けず、従来の約2倍の通信容量を備えるという。ただし、「通信容量はあくまでベストエフォートベース」(JR東海)。利用状況によっては通信速度がダウンすることもある。「現在、順次設置を進めており、年内にすべてのN700Sに設置するのが目標」という。

来年春以降は、N'00Sの7号車と8号車の間にある喫煙ルームを改造し、打ち合わせなどに利用できる「ビジネスブース」を一部の車両に試験的に導入するという。電話やビデオでの会議や、乗客どうしの打ち合わせ時に重宝しそうだ。

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