3カ月ぶり輸出増でも、力強さなし

「日本抜き」の構造変化の影

 8月20日、7月の貿易統計では輸出が3カ月ぶりに増加に転じ、ひとまず安ど感が広がった。ただ、国内の産業空洞化や競争力低下は、「日本抜き」のサプライチェーン構築が進んでいる可能性も透けて見える。写真は1月、都内の港湾施設で撮影(2014年 ロイター/Toru Hanai)

[東京 20日 ロイター] - 財務省が20日発表した7月の貿易統計では、注目されていた輸出が3カ月ぶりに増加に転じ、夏場の景気動向を占うプラス要因として、ひとまず安ど感が広がった。

ただ、輸出増加の勢いは極めて鈍く、国内の産業空洞化や競争力低下は、「日本抜き」のサプライチェーン構築が進んでいる可能性も透けて見える。内需を補う輸出の牽引力に期待する従来型の発想が通用しなくなりつつあるとも言えそうだ。

輸出3カ月ぶり回復でも霧晴れず

7月の輸出は金額ベースで前年比で3.9%増、数量ベースの実質輸出でみても前月比で2.2%増と、ともに3カ月ぶりの増加となった。金額でも前の年を上回っている。

ただ、エコノミストの多くは「明確な回復が見られない」(バークレイズ証券)と、拡大の勢いには懐疑的だ。米国向けもアジア向けも欧州向けも、一進一退の動きを続けており、日本からの輸出が好調といえる地域がどこにもないためだ。内閣府が試算している地域別の輸出数量をみると、対米輸出は前月から4%弱、EU向けは同1.2%、アジア向けは0.5%増と、いずれもさえない。

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