「最近疲れやすくなった人」に多い呼吸の仕方 「呼吸力」が一気に高まるエクササイズを伝授!

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腹圧呼吸とは、息を吸うときも吐くときも、お腹の中の圧力を高めてお腹周りを「固く」する呼吸法で、お腹をふくらませたまま(腹圧をかけたまま)息を吐くのが特徴です。ちょっと疲れているという選手も、慢性的な痛みがある選手も、ケガでリハビリ中の選手も、必ず腹圧呼吸を行いながらメンテナンスします。

「体内の圧力を高める」腹圧呼吸を実践することで、次のような効果が期待できます。

・腹圧が高まることで、体幹と脊柱が安定した正しい姿勢になる
 ・無理な動きがなくなり、パフォーマンスレベルが上がる
 ・リラックス状態をつくる「副交感神経」がきちんと働く

このような好循環を生み出し、疲労を含めたあらゆるダメージに強い体をつくる方法が、腹圧呼吸というわけです。

「息の吐き方」でコンディションが変わる

呼吸法の基本は、息を「しっかり吐ききること」です。自律神経は、息を吸うときには交感神経が優位になり、息を吐くときには副交感神経が優位になります。この「呼吸性洞性不整脈」と呼ばれる現象は、心拍の揺らぎ(心拍変動)の一因です。

息を吸って心拍が上がっても、きちんと吐いて心拍が落ち着く、これが繰り返されるならば問題はありません。しかし、さまざまなストレス要因にさらされ、つねに緊張を強いられがちな私たちは、交感神経が優位に傾きがちです。

いつも呼吸が浅く速く、「吸う」ほうが多いため、無自覚のうちに「しっかり息を吐く」ということがおざなりになっています。つまり、現代社会に生きる私たちのライフスタイルでは、知らず知らずのうちに、副交感神経が優位になるチャンスが少なくなっているのです。

物事の移り変わりが非常に速く、ますます競争が激しくなっているのが現代です。よく「息をつく間もないほど忙しい」なんて言いますが、まさにそのとおりですね。ともすれば息を吸うばかりで、ハーッと息を吐いて落ち着くチャンスが少ない。息を吸うと交感神経が優位になって心拍が上がるので、「息をつく間もないほど忙しい」というのは、「心拍が落ち着く間がない」ということでもあります。

無意識の呼吸だけでは、副交感神経が優位になりづらい。そんな私たちには、「意識の力」が必要です。体にいいことを、意識して習慣化するということです。ですから、副交感神経を優位にするチャンスを増やす「腹圧呼吸」を、ぜひ今後の新習慣としてください。

現代人はつねに緊張を強いられる状態であり、交感神経が優位になりっぱなし。自律神経がバランスよく働くことが重要とはいえ、ストレスまみれの現代人の実情に鑑みれば、やはり副交感神経を優位にするような対策が必要でしょう。

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