高田明の声はなぜ高い?本人が教える話術の秘密 ジャパネット創業者「うまさだけではダメ」
価値を感じる提案ができれば、1億円の土地でも売れる
──これまで話し方や伝え方について、心がけてきたことは?
このコロナ禍で、伝えること、コミュニケーションの大事さが改めて認識された。国際紛争に社会の分断、すべての事象は伝わったか、伝わっていないかということに根本的な原因があるように思える。
人間はつねに誰かと一緒に生きていかなきゃいけない動物でしょ。夫婦や親子であっても、あるいは上司と部下、国と国であっても、対立の中に見え隠れするのはコミュニケーション不足や伝え方の問題と考える。
私が重要だと考えるのは、伝えたということと、伝わったということとの違い。政治の世界や企業の世界でもそう。国民や消費者に自分たちの考えが伝わったかどうか、確認もせずに伝えたつもりになっているように感じる。
ラジオ・テレビ通販の30年の経験上、伝えたつもりでは売り上げも利益も出ない。伝わったという事実があって初めて、お客様が買うか買わないかの選択をされる。伝えたつもりでは、その選択までいかない。だから私は、伝わったかどうかをつねに自分自身に問い続けていた。
ラジオ通販では、1万円でも売れなかったものもあるが、30万円もするパソコンを何千台と売ったこともある。お客様に商品の価値を感じてもらうためには、自分の思いをどう伝えていけばよいのか。自分なりに一生懸命、考え抜いてきた。今は、音声だけでも価値を感じてもらえる提案ができれば、100万円の商品でも、1億円以上の土地でも売れると思う。
無料会員登録はこちら
ログインはこちら