コロナ禍収束後に行きたい「アフリカの歩き方」 椿進×唐渡千紗「いるだけで元気がもらえる!」

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椿:気候のよさとか首都ではマラリアのリスクが低いとか、その意味でもルワンダはいい。政府からビジネスの支援をもらうときにも、ルワンダやガーナは話が早い。ナイジェリアなんて10年はかかるし、エチオピアも超めんどくさい。

あと、金を掘りに行くならコンゴとか、銅を掘るならザンビアとか。ゴールドラッシュを目指す中国人はいるけど、日本人は聞いたことがないなぁ。

唐渡:でも、アフリカの発展は最近ですよね?

椿:初めてケニアに来たのが、10年前。ずいぶん変わりました。高速道路も新幹線もイオンモールみたいなショッピングモールはなかった。車はそうとうボロい中古車が走っていたけど、10年でみるみる変わった。

そういえば、ルワンダも高級ショッピングモールの投資の話が出てきたね。

唐渡:キガリハイツですね。

椿:新型コロナウイルスでちょっと困っているみたいだけど。まぁでも、アフリカの熱気を感じたいなら、まずはケニアですね。

新型コロナで一気に加速

唐渡:実は今、久しぶりに日本に戻ってきているんですが、改めて不便に感じたのが、スマートフォンのSIMカードを手に入れる大変さ。プリペイド式がほとんどないので、1週間分だけ入れて使う、みたいなことができない。東京オリンピックもあったのに、全然変わってない。外国人や一時帰国者にとっては、ものすごく不便な環境だと思いました。

椿:アフリカはプリペイド式が普通だもんね。みんなその地でいちばん通話料が安いSIMカードを差し替えて使うのが常識。2枚入れられる端末もあるもんね。しかも、チャージした通話料は通貨みたいに使える。ケニアのモバイルマネー「M-PESA」は、パパママストアから小さなB2B決済まで、これでできちゃう。

唐渡:簡単ですよね。それぞれに割り当てられたコードを入力するだけ。バーコードもQRコードもいらない。それで事実上の送金ができてしまう。

椿:もちろんキャッシュも使えなくもないけど、ケニアはみんなM-PESAだよね。上限はあるけど貯金もできるし、ローンも組める。ただ、ルワンダは新型コロナ前まではあまり普及していなかったよね。

唐渡:ルワンダのモバイルマネーの「MoMo」は、新型コロナで一気に加速したんです。感染対策もあって、政府がモバイルマネーの利用を推進したからです。しかも、一時期、手数料は撤廃します、と。

椿:MoMoも、M-PESAと同じだよね。銀行口座もいらないし、クレジットカードもいらない。

唐渡:みんな携帯電話を持っていれば番号はあるので、チャージしたお金でほとんど何でも買えるし、レストランの支払いもできる。私がルワンダの首都ギガリで経営している「アジアンキッチン」も3割くらいがMoMoでの支払いになっています。

新型コロナ前までは全然でしたけど、新型コロナで一気に使うようになって。ものすごく便利ですね。私もいろんな支払いをMoMoでするようになりました。

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