もたつくファミマ、快走のセブン スタートから差がついたコンビニ大手3社

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ファミリーマートは昨年度、出店数、営業利益ともに前年度を上回ったものの、当初計画は下回って着地している(出店計画1500に対し1355店、営業利益計画451億円に対し433億円)。今年も同じ流れにならないか。7月には上海福喜食品の期限切れ鶏肉使用疑惑を受けて、一部商品が販売停止に追い込まれた。今年度も業績計画を達成できるかどうか、雲行きは怪しい。

やはり強いセブン-イレブン

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セブン-イレブンは今期も出店順調で独走か(撮影:梅谷秀司)

セブン-イレブンは業界首位の力を見せつけた。消費増税前の駆け込みに対する反動減が予想された4月以降も、大手3社の中で唯一、既存店の売上高が前年同月比プラスを維持している。セブン&アイ・ホールディングスの松本忍執行役員(IR担当)も「思った以上に利益を出せた」と自信をみせる。

他社との差は「これまでの事業基盤の差、基礎体力の差が出てきた結果」(松本執行役員)という。セブン-イレブンでは従来から、一つの地域に集中して店を出す「ドミナント戦略」を掲げ、効率良く商品を供給できる体制を築いてきた。業界2位のローソンより4割以上も多い国内店舗(7月末16764店)を持ちながら、いまだ進出していない県(青森、鳥取、高知、沖縄)があるのはそういった背景による。

セブン-イレブンの今期出店計画はファミリーマートと同じ1600店でやはり過去最高。だが、出店ペースは順調だという。前出のコンビニ業界幹部は「セブンは皆が欲しがる場所に店を出してくる」と舌を巻く。ブランド力と圧倒的な売り上げの高さを武器に、利益を確保できる質の良い場所を抑えることができ、出店ペースを落とさない。

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