株も「新学期」迎え世界的にIPO,新株発行ラッシュ 驚くべき市場の吸収力と祭りの後に来る・・・
世界の株式資本市場はエンジン全開の状況にある。企業が可能なうちに株式の上昇相場に乗ろうと急いでいるため、先週は多数の株式上場や大規模な株式発行がトレーダーの取引画面を賑わした。
9月は伝統的に秋期の株式発行が始まる時期だが、今年は2012年以降で最も忙しいスタートを切った。ブルームバーグ集計のデータによると、先週だけで400億ドル(約4兆4000億円)近くの案件の条件が決定した。
ゴールドマン・サックス・グループの日本以外のアジア担当ファイナンシング・グループ責任者アーロン・アース氏は「今年の9月には間違いなく伝統的な『新学期』感がある」と指摘。「しかし注目すべきなのは、市場が吸収している世界的な発行の規模と件数だ」と述べた。
IPOと株式発行ラッシュは、各国・地域の中央銀行が新型コロナウイルス禍に導入した景気刺激策の段階的縮小を計画する中、世界的な株高が勢いを失う可能性があるとの投資家の懸念の高まりが背景にある。
DNA解読装置メーカーのオクスフォード・ナノポア・テクノロジーズ、特殊化学品を手掛けるアゼリス、プライベートエクイティー(PE、未公開株)投資会社アンティン・インフラストラクチャー・パートナーズは欧州でIPOを計画している。テニスのロジャー・フェデラー選手が出資するシューズブランドのオン・ホールディング、コーヒーチェーンのダッチ・ブロスは米国でIPOを申請した。
IPOのほか、大企業などによる株式発行ラッシュも熱狂に拍車を掛けている。
オンラインゲームや電子商取引を手掛けるシンガポールのシーは先週、国際的な事業拡大を賄うため株式と転換社債を通じ約60億ドルを調達した。
英格安航空会社イージージェットは9日、12億ポンド(約1800億円)のライツイシュー(株主割当増資の一種)を発表。レジャー旅行が持ち直すまでの資金バッファー確保を目指す。
原題:Back-To-School Season Has Stock Sellers Tapping Market in Droves(抜粋)
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著者:Swetha Gopinath、Julia Fioretti
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