31年ぶりの高値!「今から仕込める上昇株」発見法 「会社四季報」元編集長がポイントを徹底解説

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2006年4月以降の期初、第1四半期、第2四半期のすべてで営業利益の会社計画がそろっている4万3298件の決算のうち、第1四半期段階で上方修正を発表したのは2004件(全体の5%)。

そのうち第2四半期も連続して上方修正を発表したのは991件だった。つまり第1四半期で上方修正された企業のほぼ半分にあたる49%が第2四半期でも上方修正したことになる。

第1四半期の上方修正後がポイント

これを株式投資にどう生かすか。業績の情報に関し、株価に最もインパクトのあるイベントは上方修正だ。決算発表よりも株価が動く。

第1四半期で上方修正した企業の株価は大きく上昇する。が、買いが一巡すると利益確定売りに押されて下がるか上昇一服となることが多い。そこが絶好の拾い場だ。

第1四半期で上方修正した企業の約半分が第2四半期でも上方修正するのだからそのタイミングで待てばよい。5割の確率で第2四半期での上方修正による株価上昇を享受できる。こんなに勝率の高い戦法はそうないだろう。

要は上方修正する前に仕込めばいいのだ。企業をしっかり見ていれば、決して難しいことではない。

上図の下に示したのは日本郵船の株価チャート。8月4日に上方修正し、株価が上がった。だがその前から上がってきていた。7月30日に発表された商船三井の上方修正がきっかけだ。持分法適用のコンテナ船運営会社の業績が上振れるためだという。

このコンテナ船会社の出資比率は商船三井31%、川崎汽船31%、日本郵船38%だ。商船三井が上方修正したのだから日本郵船も修正するはず。そう連想した投資家が買いを入れ、思惑どおり日本郵船も上方修正し、株価は上がった。

このように丁寧に情報を見ていけば株式投資で成果を上げられる。

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