ポルシェ「カイエン」100万円中古車を買ってみた 走行9万km、13年落ちの格安初代モデルの実力

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初代カイエンSのリアビュー(筆者撮影)

カイエンは、同じグループのフォルクスワーゲンと共同開発したモデルだ。そのプラットフォームは、カイエンのほか、フォルクスワーゲン「トゥアレグ」やアウディ「Q7」と共通となる。この3台はバッジ違いのように思わがちだが、実際はカイエンがハイパワーなエンジンを搭載していたり、Q7は3列シートを採用していたり、キャラクターに違いがある。そんなカイエンの初代は2002年発売なので、初期モデルは販売から20年近く経過している。

ちなみに2010年のフルモデルチェンジで2代目、2017年に現行モデルにあたる3代目が登場している。中古車価格を見ると、初代は50万円から探すことができ、ボリュームゾーンは160万円前後となる。2代目は200万円からでボリュームゾーンは400万円前後、3代目は500万円からで年式的に新しいので800万円台が多くなっている。

現行型の3代目カイエン。価格は1096万円からとなる。もっとも高いカイエンターボGTは2725万円(写真:Porsche)

3代目の中古車になるとお値打ち感が少ないが、初代はもちろん、2代目でも200万円台で乗れるので、価格だけを考えれば国産車と大差はない。ちなみにラグジュアリーセダンの「パナメーラ」も年式や走行距離によっては200万円台から買えるので、ポルシェと言っても911を除けば意外と手頃に手に入るのだ。

ポルシェのクルマは、そこまで値崩れしないイメージだが、カイエンに関して言えば人気車種で販売台数が多く、かつ新型へ乗り換えるユーザーも多いことから格安中古車が増えているのだろう。大排気量かつ車体も大きいため、持て余してしまうユーザーも多いのかもしれない。また初代は最終型でも10年以上が経過しており、100万円以下で出回っているのは自動車重量税が上がる13年以上経過した車両ばかりだ。

初代カイエンSを買った経緯

カイエンSを買うまで乗っていたミニ・クーパーS(筆者撮影)

ここからは、実際に100万円のカイエンを買った経緯や感想についてまとめたいと思う。まず、筆者の愛車遍歴を簡単に紹介しておくと、学生時代にホンダ「シビック(EG型)」をはじめて買い、その後にマツダ「RX-7(FD3S型)」、ホンダ「S2000(AP1型)」、ミニ「クーパーS(R53型)」と、2ドア&マニュアル車ばかり乗り継いできた。そして人生初のポルシェは、人生初の4ドア&オートマ車だ。そんな偏ったクルマ選びをしている筆者の感想として今回の記事も読んでいただきたい。

まず筆者は、トヨタの少し古い「クラウンワゴン」を狙っていた。霊柩車でたまに見かける130型のベンチシート&コラムシートが欲しくて半年ほど探していたのだが、昨今のネオクラシックブームでタマ数が少なく、程度のよい車体は軒並み100万円以上という中古車価格。そこで中古車価格が安く、かつラグジュアリー感もあり、所有欲を満たしてくれそうなカイエンに目をつけたわけだ。ポルシェに乗りたいというより、カメラ機材が積める荷室の広いクルマというのが第一条件だった。

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