ビートルズ解散に学ぶ、起業で失敗の「あるある」 仲間とコラボレーションを続ける2つのコツ

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音楽性の違いで解散してしまうバンドと、うまくいかない起業家の共通点とは……(写真:Fast&Slow/PIXTA)
起業家とミュージシャンに共通するのは、進化する世界の先に行かなければ生きていけないことだ。そのためには自分一人の力では難しく、仲間を集め、コラボレーションすることが欠かせない。しかし起業でもバンドでも、素晴らしいチームとしてスタートしたものの途中で瓦解するケースはよくある。なぜ仲間とのコラボレーションはうまくいかなくなるのか。『創造思考:起業とイノベーションを成功させる方法はミュージシャンに学べ』(パノス・A・パノイ/R・マイケル・ヘンドリックス著)に書かれているビートルズ解散のエピソードから、コラボレーションをうまく進めるヒントを解説する。

「誰と組むか」がすべて

こんな経験はないだろうか。あるプロジェクトに関わっていて、いったいどこに向かっているのか、どうやって着地すればいいのか分からない、でもいい仲間に恵まれている。それこそコラボレーションのあるべき姿だ。

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野心的で斬新でこれまで抱いていたものとは違うアイディアならなおのこと、1人では到底うまくいかないことは承知の上。そんなアイディアを抱えてスタートし、成功させるためには他の人たちのスキルや才能が必要だ。暗闇の中を手さぐりで進む感じではあるが、仲間がいれば心強い。

ビジネスでも音楽でも、コラボする、つまり誰かと手を組むことは非常に重要だ。そしてコラボする場合、ふさわしい相手を選ぶことが必要不可欠だ。そのヒントを聞くために、2020年初め、シンガー兼ソングライターで、チャート1位を取ったジョン・レジェンドに取材した。「EGOT」、つまりエミー賞、グラミー賞、オスカー、トニー賞を制覇した数少ない1人であるジョンは、誰とでも分け隔てなくオープンにコラボする人物として業界では知られている。

「自分のあらゆる決断、人選びの決断はアートを作るときにとても大事なことだ」と彼は言う。「誰と組むかによって、もらうエネルギーも違ってくる。周りに誰を置くか、誰と一緒に曲を書くかで結果も違ってくるんだ。ビジネスでは信頼できる人が相手に望まれるけど、クリエイティブな人にもいてほしい。そばには頼れる人がいてほしいね。だから慎重に選んだ方がいいけど、かといって冒険を恐れてはいけないんだ」

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