ビートルズ解散に学ぶ、起業で失敗の「あるある」 仲間とコラボレーションを続ける2つのコツ
映画の撮影が終わって程なくして、バンドは新たなマネージャーと契約したが、ポールだけはサインを拒んだ。当時他の3人はバンドの「1人1票」のポリシーを無視するようになった。ポールが政治家みたいに策を講じてサインを拒んだのは、いざ裁判になったとき自身の発言を有利に持っていくためだった。そして彼の判断は正しかった。2年後に彼が他の3人を訴えたとき、裁判所は彼を支持した。彼は契約上ビートルズに拘束されることはなくなった。1人の1票が他の3票を凌駕し、ポップ・ミュージック史上屈指のコラボレーションは後味の悪い結末を迎えるのだった。
会社を追われた創設者
こうした話は企業の創設者どうしの争いではよくあることだ。アップルでのジョブズ対ウォズニアック、 テスラでのエバーハード対マスク、フェイスブックでのザッカーバーグ対サベリンなど。いずれの場合も共通の目標が失われ、『僕たち』が『僕』になったのだ。
もちろん、これは創設者に限ったことではない。リーダーが取締役会と衝突することもある。よくあるのは、創設者やCEOの向かう先が取締役会と違う場合だ。いざとなると、取締役会はその考えを会社の安定にとってリスキーだと見なす。そうやってジョブズは1980年代にアップルから追い出され、ジャック・ドーシーは2008年にツイッターを解雇された。
だが幸い、劇的な解雇があったものの、ジョブズとドー シーは最終的に自分が設立した会社にそれぞれ復帰し引っ張っていくことになる。それは2人が会社を前進させるビジョンを取締役会で納得させることができたからだ。
どんな分野でも誰かと組んで何かを作るとなると、一度に2つのことが求められる。まず自分のスキルに自信を持つこと。それができないと他からお呼びがかからない。
2つ目に他の人に興味を持つこと、それができて初めてビジョンと目的を共有して一緒に素晴らしいものを築き上げることができる。
自分の力に自信を持つことと他の人が持ってきたアイディアに興味を持つこと、その両者がフル回転すると、ミュージシャンも起業家もそこから必ず得るものが見つかる。そして、コラボレーションのマインドセットが最高の状態で機能すれば、互いを助け合う家族のような絆、オープンなコミュニケーションと所属感が生まれ、自由な空気によって各メンバーがクリエイティブなゴールを目指すことができるのだ。
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