ホンダ「NSX」和製スーパーカー終売の意味とは スポーツのホンダ終焉、次世代はBEVなのか?

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2020年モデルのNSX(撮影:尾形文繁)

2代目NSXは、前述のとおり、初代が販売終了した10年後、2016年に発表され、国内では2017年から販売された。価格は初代モデルの約2倍、2000万円を超えたが、ホンダ製スポーツモデルのフラッグシップ復活は大きな話題を呼ぶ。2019年には動力性能などを向上した改良モデルを販売。その後、初代モデルで人気だった車体色「インディイエロー・パール」をイメージした新色「インディイエロー・パールII」も追加した2020年モデルも販売した。2020年までの販売台数はグローバルで2558台、国内は464台。初代同様、フラッグシップ的なポジションであったことがうかがえる。

だが、2代目は、初代の16年間と比べると、わずか6年と販売期間が短い。この点をホンダの開発者に尋ねたところ、「もともと社内でモデルサイクルが決まっていた」からだという。ホンダは、NSX以外でも、軽スポーツモデルの「S660」を2022年3月で生産終了することを発表している。ほかにも先述したF1の撤退や、4輪車向けエンジンなどを製造する栃木県の真岡工場を2025年末に閉鎖することを公にしている。これらは、主に、同じく先述した「2040年までの脱エンジン宣言」が関連している。「ハイブリッドすらやめる」といった同社の新方針が、NSX生産終了にも関わっているのでは……そう思えるほど一連の動きはタイミングが集中している。

次期モデルはBEVになるのか?

では、NSXの次期モデルはありうるのか。また、あるとすればBEV(バッテリーのみを動力源とする電気自動車)となるのか。筆者の問いに対し、ホンダの広報担当者は「具体的には決まっておらず、パワートレインを含めて検討中」だという。

また、仮に次期モデルがBEVで出るとした場合、独自の3モーターハイブリッドシステムなど、2代目NSXの技術は応用できるのか。NSXの開発者によると、「車体については軽量化を行ううえで技術流用は可能だが、パワートレインについては新規で作る必要がある」という。

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