ホンダ「NSX」和製スーパーカー終売の意味とは スポーツのホンダ終焉、次世代はBEVなのか?

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NSXタイプSの走行イメージ(写真:本田技研工業)

加えて、走行シーンに合わせて最適な走行モードを選択できる「インテグレーテッド・ダイナミクス・システム」も改善された。従来からNSXには、市街地などでモーターのみのEV走行も可能な「クワイエット(QUIET)」、街から高速道路まで幅広いシーンで走りが楽しめる「スポーツ(SPORT)」、ワインディングなどで俊敏な走りが味わえる「スポーツプラス(SPORT+)」、サーキット走行に対応する「トラック(TRACK)」といった4モードを用意する。タイプSでは、これらにより最適化したセッティングを施している。

クワイエットモードは、EVドライブ時の加速性能を向上させるとともに、走行領域を拡大。EV走行での速度や距離を拡大し、市街地などでより静かな走りに貢献する。また、スポーツとスポーツプラスの各モードは、全輪の駆動制御や姿勢制御を最適化することで、ライントレース性などを向上した。

トラックモードでは鈴鹿サーキット2秒短縮を実現

とくにコーナーが連続する山道などで使うことが多いスポーツプラス・モードでは、より違いを実感できるという。コーナー入り口のターンインでは、タイヤがしっかりと路面を捉えるとともに、素早いシフトダウンで減速。コーナー頂点を通過後は車体が内側へ巻きつくように曲がり旋回性を上げる。さらに、コーナー後半では加速初期から4輪の駆動力を使うことで、アクセルをワイドに開けてもスピンせずダイレクトに加速する特性を実現。前述したNSXのコンセプト「人間中心のスーパースポーツ」を具現化する、誰にでも存分に運転を楽しめる味付けがなされている。

NSXタイプSのメーターまわり(撮影:尾形文繁)

加えて、トラックモードでは、サーキット走行時の減速や旋回のコントロール性をより向上。鈴鹿サーキットにおける実走テストでは、ラップタイムを2秒も短縮したという。2秒と聞くと、「たいした差ではない」と思う方もいるだろう。だが、実際のレースでは、かなり大きいタイム差だ。1周2秒の差ができれば、例えば10周で20秒以上、20周では40秒以上の差となり、コンマ1秒を争うレースであれば独走優勝も可能となる。

ほかにもタイプSでは、セミアニリンレザー、もしくはレザーと高級人工スエードのアルカンターラのコンビシートについて、新色の赤も設定した。シートのヘッドレストやグローブボックスには「Type S」のロゴをあしらったほか、専用キーなども用意し、限定モデルとしての特別感も演出する。

NSXタイプSのリアスタイリング。ボディカラーは、新色のカーボンマットグレー・メタリックとなる(撮影:尾形文繁)

外装カラーには、よりスーパースポーツのイメージを強調する限定の新色「カーボンマットグレー・メタリック」を採用したほか、全10色で展開する。国内での価格(税込)は2794万円。スタンダード仕様の2020年モデル(現在は販売終了)が2420万円であったから、374万円のアップだ。なお、国内の取り扱いは、同モデルを専門とする「NSXパフォーマンスディーラー」の中でも、一部の店舗に限られている。

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