公道での傍若無人な「撮り鉄」、法律上の問題点 交通の妨害は法律違反、怒鳴りつけるのは論外

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そして歩行者は「道路において、交通の妨害となるような方法で寝そべり、すわり、しやがみ、又は立ちどまっている」という行為を禁止されている(第76条第4項第2号)。違反すると5万円以下の罰金の対象になる(第120条第1項第9号)。また、「道路で酒に酔って交通の妨害となるような程度にふらつく」というのも罰金になる可能性があるので気をつけなくてはいけない(第76条第4項第1号・第120条第1項第9号)。

併用軌道を走る江ノ電300形(写真:denkei/PIXTA)

鉄道車両を撮影する場合、寝そべって、ということはないと思うが、交通の妨害になる方法で歩道や車道に座ったり、しゃがんだり、立ち止まってカメラを構えていればこの罰則規定に該当するかもしれない。

現実に罰せられなくても、複数の者で交通の妨害になりつつ撮影したり、1人であっても車道や歩道に三脚を立てて他の交通を妨害したりするのは許されないということになる。

怒鳴りつけるのは論外

また、撮影者に公道を管理する権限がない以上、他人が自分の構えるカメラの前を横切ったからといって怒鳴りつけるのは論外である。

公道上で撮影者が傍若無人な振る舞いをし、あまりにも目に余るときには、現実的には警察官を呼んで対応してもらうことになるのかもしれない。しかし、警察官としても歩道に溜まらないでなどと注意するのが関の山であろう。

また、JRの蒸気機関車牽引の列車のようにイレギュラーな注目イベントの場合には、警察等と連携して公道を含めた周辺の警備ということも考えられるが、通常の営業運転や試運転でわざわざ警備をするなどというのは、鉄道事業者や警備関係者の負担を考えれば相当ではない。

道路で立ち止まって撮影して交通の妨害になっているから、という理由で片っ端から検挙していくというのも、警察の業務を考えれば煩雑である。そこまで警察権力が行使される社会というのも考えものでもある。

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