中国、チベットに「高速鉄道並み」新線建設の狙い 観光・産業振興のほか中印国境問題も背景に?
一方で、同線が敷設された青海チベット高原南東部は、中国国内でも地殻変動が起こる可能性が最も大きなエリアだ。これに対し、中国鉄路は災害リスクを最小限に抑えるため、さまざまな予防・管理対策を凝らしているという。
現地の報道によると、沿線人口は131万人。
沿線である山南市の南部エリアは目下、中国とインドとの間で国境をめぐる係争が起きている地域であり、現状ではインドがアルナーチャル・プラデーシュ州として実効支配している。このエリアは、双方が互いの権益を侵さない休戦ラインともいえる実効支配線(Line of Actual Control、LAC)により分け隔てられているが、過去に何度となく小競り合いが起きている。
軍事上の意味合いも強い?
最近のLACを挟んだトラブルでは、2020年6月、ラダック地方のガルワン渓谷で両国の軍が衝突。武器の代わりに石や棒などを使った争いの結果、インド側の説明では同国軍の兵士少なくとも20人が死亡する事態となった。
英公共放送BBCはこのトラブルについて、「インドがラダック地方の海抜5000mに開いた空港への接続道路を完成させたことで、中国の不興を買ったのが遠因」との見方を示し、「インドと中国はどちらもLAC沿いの輸送インフラ構築を進めている」と現状を解説する。
高規格路線の必要性は、
事実、「復興号」を使った兵員輸送が実施された例がある。
日本人を含む外国人のチベットへの渡航は、コロナ禍以前から事実上の許可制の形が取られてきた。チベットの峻険な地形が車窓から存分に楽しめるであろうラサ―林芝鉄道。観光や沿線住民の移動など平和的な利用が中心となることを願いたい。
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