早くも全土掌握タリバン支配下のアフガンの行方

原理主義復活の恐れ、中ロ関与か

アフガニスタンの反政府勢力タリバンは猛スピードで全土を掌握しつつある。数週間で次々と州都を制圧、15日には首都カブールに進攻し大統領府を占拠した。

タリバンがアフガン首都進攻-20年ぶり全土掌握へ準備進める

タリバンは政権を軍事的に制圧するよりむしろ、政権の自壊を促す戦略を採用しているようだ。あらゆる兆候が示唆しているのは、既に出国したガニ大統領が政権移行を受け入れることだ。この場合、タリバンは米国主導の軍事作戦で政権が崩壊して以来20年ぶりに権力を掌握する。

ガニ大統領は退陣するか、あるいは名目上の地位にとどまりタリバンに見掛けの正当性を与えるか、いずれかになろう。タリバンは人の命や資産、名誉を脅かすことなく「移行プロセスが安全かつ確実に完了するようにする」との声明を出しているものの、全く異なる行動に出る恐れがある。

政府軍が崩壊する中、タリバンは税関や国境(カブール空港除く)を掌握し、極めて優位に立っている。ロシアと中国はタリバン指導者と関わることに前向きな見通し。

しかしタリバンがかつての原理主義を復活させようとしていると報じられており、同国の女性が苦労して手にした権利や市民社会が失われる恐れがある。

近隣諸国はアフガンからの難民に紛れてテロリストやウイグル族分離主義者が入国するのではないかと懸念している。タリバンは国際テロ組織アルカイダなどの組織の訓練や活動を容認するかもしれない。

バイデン米大統領にとってアフガン問題は八方塞がりの状況となっている。戦争長期化で米国民は撤退を望んでいるが、その一方で米国は人権擁護を表明しているからだ。

バイデン大統領は批判が高まる中でも全面撤退の方針を変えない可能性が高い。大統領は「アフガン駐留が始まって以来、私は4人目の大統領」だが、「これを5人目に引き継ぐつもりはない」と語った。

ヘラートのタリバン戦闘員(8月14日)Photographer: -/AFP

原題:What’s Next for Afghanistan Under the Taliban: Balance of Power(抜粋)

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著者:Rosalind Mathieson

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