コロナで露わ「対応が後手後手」な日本の根本弱点

池上彰が語る日本にはびこる悪しき体質とは?

政府の新型コロナへの対応は「場当たり的」と批判されています(写真:Akio Kon/Bloomberg)
収束の気配をまったく見せない新型コロナウイルス。ジャーナリストの池上彰氏は「新型コロナの感染拡大が日本の弱点を浮き彫りにした」と言います。その弱点とは何か、どう克服すればよいのか。『知らないと恥をかく世界の大問題12 世界のリーダー、決断の行方』を上梓した池上氏が解説します。

「戦力の逐次投入」の体質は今も変わっていない

2020年、世界は新型コロナウイルスに翻弄されました。危機のときこそ人間の真価が問われるといいますが、それは国も同じことでしょう。

今回、新型コロナウイルスの対策のお手本といわれてきた台湾やニュージーランドなどは、大規模な検査を行う一方で、いち早く国境封鎖やロックダウンに踏み切りました。

日本はどうだったのか。日本の対応を見ていると“場当たり的”と言われても仕方がありません。「戦力の逐次投入」という言葉があります。太平洋戦争の旧日本軍の敗因とも言われています。ガダルカナル島をめぐる戦いなどで、強力なアメリカ軍に対して日本は「戦力の逐次投入」をして大敗しました。

「まずは1000人ほど投入して様子を見よう」。アメリカ軍はものすごい数の陸上部隊できているわけですから、そこに1000人を送り込んでも、あっという間に全滅してしまいます。とりあえず送ってみたけど何の連絡もないから、また1000人……、そうして戦力を惜しみ惜しみ出して行くことで最悪の結果を招いてしまったのです。

今回の新型コロナを戦争に例えるのはよくないかもしれませんが、本当に戦わなければならないなら、最初から腹をくくってドーンと思い切った対策をとればよかった。だらだらやると危機感が薄れてしまいます。

そういえば、福島原発事故のときの対応もそうでした。対応が後手後手にまわって収拾を困難にした。「戦力の逐次投入」という日本の伝統的な体質は、いまだ変わっていないのではないでしょうか。

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