タリバンの迅速な進撃に米国が再び3000人を増派 首都カブールも間もなくタリバンの手に落ちる
アフガニスタン各地で反政府勢力「タリバン」が攻勢を強める中で、バイデン米大統領は在カブール米大使館からの人員撤収を支援するため約3000人の軍部隊を増派する。同国から米軍が撤退する状況下でタリバンの進撃の速さに米国がいかに不意を突かれたかを浮き彫りにする形となった。
米外交プレゼンスのさらなる後退を示す事態
国務省のプライス報道官は12日の記者会見で、カブールの大使館スタッフを「中核的な外交プレゼンス」に縮小すると説明。同大使館の現在のスタッフは約4200人で、うち相当数が米国人という。同報道官は「われわれは決してアフガニスタンの人々を見捨てはしない。そんなことは全くない」と述べた。
しかし、バイデン政権は8月31日までにほぼ全ての米軍を撤退する計画を進めることを決定したとしており、今回の動きは米外交プレゼンスのさらなる後退を示す。タリバンが迅速かつ容易に進撃している状況は、首都カブールが間もなくタリバンの手に陥落する可能性があるとの米政権の見方を示唆している。
バイデン米大統領、米軍のアフガン撤退見直さず-タリバン攻勢でも
国防総省のカービー報道官によると、増派される部隊は24-48時間後にカブールの主要空港に展開し、既に空港に配置されている650人の部隊に加わる予定。