結果は以下の通りです。
アナフィラキシーを発現した人数は37名、平均年齢は40歳、94.5%が女性でした。アナフィラキシーの発現率は、100万回接種当たり204.2回でした(注:ワクチン副反応の頻度はこのような表現を使います、%で表すと「0.02%」になります)。接種から30分以内に発現した方は37名中31名いました。
アレルギー歴がある人は21名です。その内訳を見ますと、薬あるいはワクチン15名(最多:インフルエンザワクチン5名)、食品10名(最多:卵4名)、化粧品4名と続きました。アナフィラキシーの基準を判定するブライトン分類が評価されたのは17名で、うち7名が「因果関係あり」と判定されました。
本データから何がわかったのでしょうか。
アメリカよりも日本のほうが数値は高く出たものの…
まず、日本人のアナフィラキシーの発現率は高いという可能性です。
アメリカ疾病対策センター(CDC)のデータによると、2020年12月14日から翌年1月18日にかけてアメリカではファイザーワクチンが約994万回接種され、100万回当たり4.7件の頻度(約0.0005%)でアナフィラキシーが認められました。
一方、今回の日本人を対象とした結果は204.2回と、アメリカの結果よりかなり高い発現頻度が示されました。
ただ、この結果の解釈には注意が必要です。アナフィラキシーの定義が曖昧だったため、本当の診断例ではなく疑い例まで多く含まれていたこと、また、医療従事者対象でアナフィラキシーに注意すべきと事前に知らされていたため軽微でも念のための報告が多く行われていたことが考えられます。そのため、過剰報告になり実際よりかなり多めの数字が初期の段階では出ていたのではと推測されます。
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