丹羽宇一郎“中国大使”への反響、伊藤忠商事相談役の意外な転身
6月17日、駐中国大使に、伊藤忠商事の丹羽宇一郎・元相談役(16日退任)が就任する人事が発令された。
宮本雄二・前大使は在任4年超。交代は時間の問題だったが、財界人が後任に登用されるのは、霞が関でも想定外だった。民間からの大使起用に強いこだわりを持つ岡田克也外相が押し切った形だ。
人事が表面化したのも、岡田外相の再任が決まったのと同時期だった。中国に独自の太いパイプを持つ小沢一郎氏が民主党幹事長を辞任したことも、無関係ではないだろう。
丹羽氏は今年4月に伊藤忠の会長から相談役に退いた。代表権は2005年の段階で返上したが、経済財政諮問会議の民間議員など数々の公職を歴任した著名財界人の去就には、社内外の注目が集まっていた。
次期NHK会長などに擬せられたこともあったが、伊藤忠社内からは、「政治色が強い仕事は避け、教育など社業に関係ない分野で活躍してほしい」(幹部)といった声が聞かれた。
それだけに今回の人事には、期待よりも不安が先行している。過去にも伊藤忠OBがバーレーンやブルガリアの大使に起用された例はある。が、駐中国大使の重みと影響力はケタ違いだ。
中国側の報道は事実関係を簡単に伝えたものが多いが、おおむね好意的。
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