クリミア併合に関するプーチン大統領の論拠は、アフガニスタン侵攻に関するブレジネフ氏のそれに酷似する。プーチン大統領は2004年にロシア退役軍人に対してアフガニスタン侵攻に関するスピーチを行った際、中央アジアを守る正当な地政学的理由があった、と説明した。2014年3月、ウクライナの土地強奪を正当化するため安全保障上の懸念を口にしたように。
ブレジネフ時代の拡張政策は、エネルギーが新たにロシアにもたらした富を反映していた。プーチン大統領による過去10年の軍の強化と近代化もまたエネルギー輸出に支えられたものだった。経済成長と政府歳入は完全に炭化水素ガス田に依存している。
残忍、無責任な治安部隊
プーチン大統領の治安部隊は依然として残忍で無責任だ。ロシア国内の一部の地域では、治安部隊が犯罪組織と融合している。ロシアの軍事施設、潜水艦、石油掘削装置、炭坑、病院、老人ホームは頻繁に爆発、崩壊、沈没している。
クリミア併合に対する一般の支持は今後弱まるだろう。マレーシア航空機の大惨事も手伝い、プーチン政権が「詐欺師と盗人」の集団であるとの野党からの批判はますます共感を呼ぶことになる。
プーチン大統領は実質的に自分自身を国家としたことで、国家の失敗はすべて彼自身の責任だとの印象が強まっている。彼のパートナー、特にほかのBRICS(ブラジル、インド、中国、南アフリカ)も国際法軽視や近隣国の主権軽視に対して、先日のBRICS首脳会議で見せたような見て見ぬふりはもはやできない。欧州も今後厳しい制裁をせざるをえない。
プーチン大統領はまだ61歳。ソ連を崩壊の淵に導いた過去の指導者たちよりも10歳若い。憲法上、彼は少なくともあと10年は権力の座に居座れる。だが13年のGDP成長率がわずか1.3%で、制裁により経済の落ち込みが加速すると予想される状況で、愛国心が彼を守りきれなくなるのも時間の問題だ。
アフガニスタン侵攻で強く出すぎ、大韓航空機撃墜事件で全世界にうそをついたことで、ソ連は崩壊した。ロシアを再び帝国権力として確立しようとしたプーチン大統領の努力が異なる運命をたどると信じる理由は、どこにもない。
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