「年間15億円の損失」でも「ムダな会議」を開く理由 アマゾン流「不要な会議&会議のムダ」撲滅術

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会議の数は、ポジションが上がるにつれて増えるものだ。すべての会議に顔を出そうとすると、スケジュール管理が難しくなり、仕事もパンクしてしまう。

そんなときは部下に権限移譲すればよいのだが、それがうまくできずに抱え込んでしまう上司は案外多い。その背景には、権限を与えた部下が失敗したときに、自分が責任を負うのが怖いという心理が潜んでいる場合が多いようだ。

部下は責任を持って会議に出席し、そこで意見を言い、仕事を進めるという経験を積むことで成長するもの。適度な権限委譲をしたほうが、自分にとっても部下にとっても、そして会社にとってもよいと考えよう。

「本当に出席すべき会議かどうか」を吟味せよ

また、優秀な人や該当分野に詳しい人は、さまざまな会議に呼ばれることが多く、仕事を頼まれやすい。こういった人は、「自分が本当に出席すべき会議かどうか」を吟味する姿勢を持つほうがよい。

断る勇気。これは日本人が不得意とするところだが、会議に呼ばれやすい優秀な人こそが、ムダな会議の増殖に加担しないために、心得ておくべき点でもあるだろう。会議のスリム化を、企業文化として浸透させるには、リーダーたちが見本を示していくことが大切だ。

泉美 木蘭 作家・ライター

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いずみ もくれん / Mokuren Izumi

1977年三重県生まれ。24歳でイベント企画会社を起業し、即刻倒産。借金返済のために働く日々をつづったWebサイトが話題を呼び、作家デビュー。以降、週刊誌やWeb媒体等で執筆。TOKYO MX「モーニングクロス」「激論!サンデーCROSS」などテレビ番組でレギュラーコメンテーターとして出演。著書に『オンナ部』(バジリコ)、『エム女の手帖』(幻冬舎)、『会社ごっこ』(太田出版)等。趣味は合気道とラテンDJ。

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