つまり、2015年に登場の4代目プリウスから展開がスタートしたトヨタのクルマづくりの構造改革「TNGA(トヨタ・ニュー・グローバル・アーキテクチャ)」をランクルにも反映した……というわけだ。
エクステリアは先代(200系)のイメージを踏襲しながらも、「より先進的」「より堂々と」「よりドッシリとした構え」が特長のスタイリングだ。ノーマル系は大型のグリル採用などできらびやかに見えるが、各部を見るとオフロード走行時のダメージを受けにくいランプ位置やバンパー構造など、機能性を重視したデザインになっている。新たに設定されたGRスポーツは、TOYOTAエンブレム+ハニカムグリル採用の専用のフロントマスク、各部のブラックアウト化、18インチアルミの採用などによりシンプルながら精悍な印象だ。
ホイールベース2850mmはランクルの「黄金比」
パッと見ると、ボディサイズが大きくなったように感じるが、実際は全長/全幅/ホイールベース、ディパーチャー・アプローチアングルは200系と変わらない。とくに2850mmのホイールベースは80系から不変だが、これはランクルの黄金比だそうだ。
インテリアは最新のトヨタデザインを踏襲しながらも、悪路走破時にも姿勢が捉えやすい水平基調のインパネや直感操作が可能なスイッチ類など機能優先の思想はエクステリアと同じ。スイッチが多めで情報過多な印象が強かった200系と比べると雲泥の差だ。メーター周りも一新されているが、ランクル伝統の電圧系/油圧計は300系でも健在である。
居住性はドライビングポジションの見直しによりフロントシートの着座位置が後方に移動されているものの、セカンドシート/サードシートの構造・配置の見直しで、むしろ200系よりも向上している。ちなみにサードシートは跳ね上げ式からフロア格納式に変更されたことでリアルな積載性はもちろん積み込み性能もアップしている。ちなみにガソリン車のベーシックグレード(GX)とディーゼル車はサードシートレスの5人乗り仕様だ。
メカニズムはすべてを刷新。新プラットフォーム「GA-F」は、ほかのTNGAモデルと共通の正しい運転姿勢、200系で懸念材料だったリアサスのジオメトリー、重量配分の適正化(エンジン/TM搭載位置をより低く(28mm)、より内側(70mm)に移動)と基本素性を大きくカイゼン。ちなみに生産現場の匠の技と最新技術の融合による世界初の溶接技術の採用も相まって、剛性を大幅に高めながらもフレーム/車体を含めて従来から200kgもの軽量化を実現しているというから驚きだ。
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