「今の株価はバブルだ」という人ほど損しやすいワケ 株が上がる理由は「買う人」が多いから?

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実はこれはとても簡単です。「今は上がりすぎているから、そのうち下がるだろう」とか「今は明らかにバブルだよ」と発言する人が比較的目立つときは「買いたいパワー」が充満していると考えていいのです。

実は「買いたいこと」の裏返しの側面も

これは評論家やアナリストだけではなく、われわれの周りにいる投資家の発言にも同じことが言えます。これは一見逆のように思えますが、もし本当に「今が上がりすぎていて割高だ」と思うのなら、株で空売りをするなり、下がれば利益が出る「インバースETF(上場投資信託)」を買えばいいのですが、多くの場合、そういう発言をする人はそんな行動を取りません。これは本音ではまだ上がると思って買いたいと考えているからです。

実はそういう人の多くは「上昇相場に乗り遅れてしまった」と感じて、焦っている人たちなのです。「出遅れてしまった。今から買うのはシャクだ。きっといずれ下がるだろうからその時ときに買おう」と考えるからそういう発言になるのです。

昔からある「相場の用語」ではこれを「買いたい弱気」と言います。心理学で言うと「認知的不協和の解消」という行動です。

イソップ物語の「きつねとブドウ」の話のように、「ブドウを取りたいけど飛び上がっても届かない」という状況、つまり現状は好ましくないけど、それを自分の力で変えることができないと、人は解釈の仕方を変えることで自分を納得させようとします。これが「認知的不協和の解消」で、この場合は乗り遅れて上がってしまった状況に対して「きっとそのうち下がるに違いない」と自分に思い込ませることで、納得しようとします。

でも、もし下がると、そういう人の多くは「もっと下がるかもしれない」と思って買えなくなるのです。

また、相場というのはそんな自分の思惑どおりには行きませんから本人の願望に反して上がり続けることもあります。そうなるとそれまで「どうせ下がるよ」とうそぶいていたにもかかわらず、もう辛抱できなくなって買うという人が増えていきます。

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