日立製「新型特急」を大量導入、台湾鉄道の狙い 2024年までに600両を納入、デザインの特徴は?
外観は日立製のイギリス向け高速列車、インターシティエクスプレストレイン(IET)に似た流線形で、側面はTEMU1000と同様に小窓が多数並ぶ。塗装は白を基調に前面が黒という非常にシンプルなデザインだ。
車内も現地メディアでの映像を確認する限りイギリス向けIETに酷似しており、座席は普通車タイプが2人がけシート2列、上級クラスは通路を挟んで1人がけと2人がけの配列となっている。
同じ日本製ながら台湾新幹線の座席の作り付けに比べるとやや簡素な印象が否めないが、はたして台湾の利用客を満足させられるだろうか。
2021年中に7編成納入
EMU3000の第一陣(12両編成1本)は7月30日に台湾東部の港、花蓮港に陸揚げされたのち、3カ月間の試験走行を実施する予定となっている。7月16日には陸揚げのリハーサルが台湾側の関係者により実施された。21日には前述の通り、笠戸事業所で地元・降松神社の神主による安全祈願祭が行われ、同事業所の三浦淳所長ら関係者が立ち会った。
第一陣の後は、2021年中に7編成(84両)、引き続き2022年に15編成(180両)、 2023年に16編成(192両)、2024年に残りの編成が台湾側に引き渡される見通しだ。
台鉄は年内をメドに3編成を運用に投入する見込みで、需要が大きい西部幹線(台北―高雄間)ではなく、利用者の増加が著しい東部幹線に投入する予定だ。同線は
一方で台鉄は、政府が「高速鉄道保護」
EMU3000の投入により、従来車は置き換えが進むことになる。老朽化が激しい特急用電車のEMU1200をはじめ、5月に運用から外れ
日立の笠戸事業所における高速車両の出発といえば、2019年夏、3万人もの観衆が見守る中、イギリス向けの最終納入車両が港へと一般道を通って運ばれて行ったことが記憶に新しい。コロナ禍で人が集まるイベント開催が避けられ、しかも日本人の台湾渡航が簡単に実現しない今、新造車両をこの目で確かめられる機会が遠のいてしまっているのは残念なことだ。
台湾は日本人にとって最も身近な海外旅行先の一つと言えよう。新型車両の順調な運用入り、そしてコロナ禍の収束によって台湾の人々とともに新型車両で旅行が楽しめる日が一日も早く戻ってくることが望まれる。
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