子どもの弱点が「親の思い込み」かもしれない理由 人に迷惑をかけず時代や社会に順応できるならOK
大切なのは、自分にとってどうかではなく、仲間を困らせていないか、その子がこれからの時代や社会に順応して生きていけるかといった点から見ていくことです。そうすると、弱点は時に長所に見えてくるはずです。もっと言えば、手がかからない子のほうが心配かもしれません。誰にも注意されず、今までの生き方を振り返ることもなければ、現状に甘んじてしまうかもしれないからです。
「ちょっと待てよ。僕はこのままでいいのか……?」
「なぜ私は注意されるのだろう?」
自問自答する経験は必要なはずです。それなのに、多くの母親が手のかからない子を求めているのです。
誰だって隣の芝生が青く見えるものです。頭がよくて、親の言うことを何でもちゃんと聞いて、どの先生からも怒られたことなどなくて、何か悪いことをしたとしてもすぐに反省できて……。クラスで評判の〇〇さんは、きっとそのように映っていることでしょう。
でも、本当にその子は大きくなっても困らない人生を歩んでいけるのでしょうか。社会に出たときに必要な力として、学業成績、規律性などが不可欠だと言われることはありません。大切なのは、コミュニケーション能力、主体性、チャレンジ精神、ストレス耐性などです。さほど重要でない力を理想像とし、そこにこだわるのは時間も労力ももったいないことです。
「まあ、この程度ならよしとしないと……」
くらいにとらえておけば、育てにくさも許容範囲に含まれることでしょう。そうした発想の転換こそ、親子共に幸せになる秘訣だと思っています。
行動を認めてあげると子どもは変わっていく
子どもが持っている性格や特質は、何事も表裏一体です。いい面が出ていれば安泰ですが、長所は時に短所になります。したがって、今は悪いように見えても、けっして悲観することはないのです。
今まで弱点だと思っていたことでも、もしかしたら長所ではないかと思った瞬間、子どもは変わっていきます。
「お腹が空いたからって、どうして冷蔵庫を開けて食べてるの? ママ、このチーズ使おうと思ってたのに……」
だと、次から勝手に冷蔵庫を開けないばかりか、自分から勝手に行動してはいけないというメッセージになります。でも、これが主体性を身に付けつつある兆しだと思えれば、
「ママの助けを借りずに、よく自分で食べられるものを探したわね」
その子をほめれば、
「今度はもっとママを助けよう」
やがては自炊するようになることも期待できます。
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