子どもの弱点が「親の思い込み」かもしれない理由 人に迷惑をかけず時代や社会に順応できるならOK

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多くの母親と接していると、育てにくさに困っているという話をよく耳にします。

「先生。あんまり勉強しないからって、いい加減にちゃんとやるように言うと、“今やろうと思ってたのに、言われてやる気がなくなった”となり、反対に黙ったまま様子を見ていても一向に机に向かう様子がありません。言ってもダメ、言わなくてもダメなので、いったい私はどうすればいいのでしょうか?」

手のかからない子のほうが将来が心配な可能性もある

なるほど、切実な問題です。子どもというのは、母親とは別人格ですから、何を考えているのか理解するのも一苦労でしょう。

ただ、ここで確認しておきたいのは、その育てにくさが誰にとってなのかという問題です。周りにいるみんなが指摘するなら改善の必要がありそうですが、母親にとってだけの感覚であれば、それは思い込みである可能性も否定できません。子どもに対する評価は担任によってもまったく違うのです。ある担任が、

「この子は私が何か言うといつも反論ばかりして、揚げ足取りの名人です」

と言っていたかと思うと、新年度になって別の担任に替わり、

「あの子の感覚は面白いですね。私とは別の角度から物を見ることができるので、話していてとても楽しい子です」

と言われることもあるのです。リーダーシップに関するとらえ方もまったく異なるときがあります。ある担任が、

「この子は誠実で、みんなをまとめるのが上手よ」 

クラスでいちばんのリーダーとして推していた子を、次の担任が、

「周りの目を気にしていて、優柔不断なところが気になるけど……」

逆に配慮が必要な子として見ることもあるのです。もちろんその反対もあります。

「あの子は落ち着きがなくて困る」

と悪評を伝えられた子が、その後クラスに活気をもたらすピカイチのリーダーになったなんて話を耳にしたこともあります。

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