菅首相の「再選戦略」、コロナと五輪で狂った目算 不支持率は過去最高に、浮上する「10月解散論」

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特に、7月4日の東京都議選での自民敗北が「自民党支持層の離反と無党派層の自民支持低下」(選挙アナリスト)だったことが不安を広げている。自民党で長らく選挙対策を担った元事務局長も「コロナ対策も含めて、国民への約束を実現できない菅首相への批判が自民離れの原因」と指摘する。

2020年9月の就任以来、菅首相が最善のシナリオと位置づけてきたのが「コロナ感染抑止→五輪開催成功→衆院解散断行→自民勝利で総裁選無投票再選」という戦略だった。しかし、感染拡大による緊急事態宣言下の五輪開催となり、パラリンピックの開催も危ぶまれる状況で思惑が外れた。

「衆院選は遅ければ遅いほどいい」

政府与党幹部の間でも、パラ閉幕直後の臨時国会冒頭での解散断行に否定的な見方が広がる。菅首相は17日の民放テレビ番組で、「最優先すべきはコロナ対策。(衆院解散については)私の任期も限られる。衆院議員の任期も同じだ。そういう中で視野に入ってくる」と述べるにとどめた。

自民党総裁は9月30日、衆院議員は10月21日でそれぞれ任期満了となる。これに関して、麻生太郎副総理兼財務相は18日、「9月はまだコロナの騒ぎが続いているだろうから、10月選挙になる可能性が極めて高い」と9月上旬解散に慎重姿勢を示した。

公明党の山口那津男代表も「ワクチン接種が進めば、望ましい選挙の環境になる」と指摘。菅首相が目指す「10月から11月の早い時期」の希望者全員へのワクチン接種完了に合わせた衆院選実施を求めた。

ここにきて官邸サイドからも「国民の安心につながるワクチン接種完了を考えれば、衆院選は遅ければ遅いほどいい」との声が出ている。公職選挙法などにより、秋の臨時国会の会期を任期満了ぎりぎりまで設定して、その最後に解散すれば、11月28日投開票とすることも可能だからだ。

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