身内で子を殺し合うプレーリードッグの驚愕育児 親の留守中を襲い、死んだ子を食べることも
二本足で立ち、つぶらな瞳で、小首をかしげたりする、プレーリードッグ。このかわいらしい動物が、よりにもよって、子ども殺しをするというのだから、世の中嫌になる。さっさと帰って、酒飲んで寝てしまいたい。
プレーリードッグの群れは、家族グループの「コテリー」が集まってできている。コテリーにいるプレーリードッグのメスたちは、血がつながっている。つまり身内だ。その身内が、互いの子どもを殺しあうというのだ。
エサ探しなどで留守にすると、子どもが殺される。巣穴ごと、生き埋めにされたりする。さらに、その子どもを、食べられてしまったりもする。地獄の子育てだ。子どもの生き残る率は、半分ほどだという。子どもを4匹産んだら、2匹しか、残らない計算だ。
子育てをするには、子殺しをしたほうが得
なぜ、こんなことをするのだろう? 子育てをするには、子殺しをしたほうが得なのだ。ほかの子どもはいないほうが、エサが取りやすい。死んだ子どもの肉を食べれば、タンパク質もとれる。
さらに、子どもを失ったメスは、ほかの子どもを襲わなくなるので、安全になる。それどころか、そのメスは、ほかの子どもたちにも、お乳をあげ、わけへだてなく育てるようになるのだ。
それが、自分の子どもを殺した犯人の子どもであっても関係ない。そしてみんな協力しての子育てが始まる。それまで子どもを殺し合っていたのに、プレーリー保育園・年少組ができてしまうのだ。いったいどういうことだ。
生き残った子どもがいれば、ほかの子とまとめて面倒をみたほうがよい。集団でいれば、自分の子どもが天敵におそわれる可能性は低くなる。
自分に子どもがなければ、甥っ子や、姪っ子を守るべきだ。その子どもたちを通じて、自分の遺伝子を残せる。だから、危険があっても見張り役を買ってでる。「自分の子孫を残す」という目的のためには、かけらほどの、私情もはさまない。天才すぎるクールさだ。
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