新興国市場の投資家は、債券への資金投入を進める一方で、株式への資金投入は縮小している。新型コロナウイルスのワクチン接種率が低い新興国でデルタ変異株の感染が拡大する中、この傾向はさらに強まる可能性が大きい。
新興国債券は11カ月連続で資金純流入
中国を除く新興国市場の債券は11カ月連続の資金純流入と、2018年前半までさかのぼる国際金融協会(IIF)のデータで最長となった。1-6月に債券が992億ドルの純流入だったのに対し、株式は22億ドルの純流出となった。
新型コロナワクチン開発の進展やバイデン氏の米大統領選勝利で世界経済に対する楽観的見方が高まった昨年11月以降、新興国株への資金流入は債券を下回っている。
BNPパリバ・アセット・マネジメント・アジアでマルチアセット・ソリューションズ責任者を務めるポール・サンドゥ氏は、新興国市場でデルタ株のリスクはまだ完全に織り込まれていないため、状況はすぐに変わらないだろうと分析。同氏はロシア、コロンビア、トルコなどの年限の長いハイイールド新興国市場債を選好している。
ピクテ・アセット・マネジメントのシニアマルチアセットストラテジスト、アルン・サイ氏も、新興国市場の株式よりも債券を選好していると指摘。新興国株に持続的な資金流入があるのは、先進国市場よりも見通しが良好な場合だけだと述べた。
原題:Emerging-Market Investors Pile Into Bonds as Delta Spreads(抜粋)
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著者:Lilian Karunungan
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