甘党の人ほど「イライラしやすい」科学的根拠 糖への依存度は「麻薬を超える」という衝撃事実

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一般の人は、血糖値が100または80mg/dℓくらいに下がってきたときにお腹が空くのですが、かくれ高血糖の人は上が高いので、正常値の上限と言われる140mg/dℓよりも高い200mg/dℓでも、お腹が空いて甘いものを欲してしまうのです。空腹ではないのに、落差によって空腹と勘違いしてしまう。おそろしいですね。

そのため、かくれ高血糖の人は、血糖値が常に高い糖尿病の人よりも、食べすぎてしまう傾向があります。だから、イライラしたときに甘いものを食べるのは良い方法ではありません。むしろイライラしているときほど甘いものには手を出さないほうがいい。

イラッとしたら、昔の青春ドラマのようにワーッと叫びながら砂浜を走るのがいちばんです。というのは半分冗談ですが、体を動かしてストレスを発散するのがベストな対処法だと思います。

甘いドリンクも要注意

甘いものといえば、お菓子だけではありません。忘れられがちなのが、飲み物です。「間食はしません」と言いつつ、甘いものをたっぷり飲んでいませんか?

イライラしたら砂糖多めのコーヒーを飲むとか、疲れたときには清涼飲料水をがぶ飲みするという人も、「イライラすると甘いもの」とまったく同じです。

たとえば、甘い炭酸飲料やスポーツドリンクの成分表を見てください。だいたい容量の10%強の糖質が入っています。500mℓのペットボトル1本を飲み干しただけで、角砂糖にして10個ほど(!)、50gもの糖質をとったことになります。

しかも、甘い飲料によく使われているのが、「異性化液糖(果糖ブドウ糖液糖、ブドウ糖液糖果糖、高果糖液糖)」。これは液状の糖で、砂糖以上に吸収が早く、血糖値が急激に上がりやすいことを覚えておいてください。

スーパーやコンビニで飲料を買うときには、必ず裏側の原材料名を確認してほしいのですが、かなりの割合で使われています。アメリカでは、清涼飲料水を飲む本数が多いと犯罪者になりやすい、甘い炭酸飲料を飲む本数が多い子どもほど暴力的になるといった研究結果まで報告されています。血糖の大幅な変動がメンタルを不安定にして平常心を奪い、感情のままに動きやすくするのでしょう。

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