任天堂Switch「5年目の刷新」に透ける自信と悩み 売れ行きはなお絶好調、ゆえに難しい「見極め」
だが先述のとおり、スイッチは発売5年目にしてなお絶好調。2022年以降も『メトロイドプライム4』や『スプラトゥーン3』など世界的な人気タイトルの発売が控え、ハードの販売にも寄与するとみられる。
こうした点を踏まえると、今回の上位モデル投入は“まだしばらくスイッチの時代を維持していく”という任天堂の明確な意思表示とも受け取れる。が、その間にもライバル各社は新機種投入で先へ進む。
ソニーグループが2020年秋に発売した「PlayStation 5」は、最先端の半導体で情報処理能力を一段と高め、超高精細なグラフィックも実現した。同じく2020年秋にアメリカのマイクロソフトが発売した「Xbox Series X/S」も、画質や処理速度の向上を売りにする。
陥りたくない「ハードの陳腐化」
これに対し任天堂のスイッチは、4Kに対応していないなど、スペックの面で大きく見劣りする。
それでも売れているのだから、目下この状況を気にする必要はないかもしれない。が、消費者からつねに新鮮味や驚きの提供を求められるエンターテインメント企業として、ハードの陳腐化は避けたいのも事実だ。
ハードの切り替えはその後のソフト販売戦略や広告宣伝、在庫管理などに大きく影響する。タイミングを間違えば大きな損失を出すことにもなり、ゲーム業界の各社にとっては極めて重要な経営判断だ。
任天堂はいつまでスイッチで稼ぎ、いつ後継機を投入するべきか。スイッチの販売が好調であるゆえに、その見極めは難しさを増す。
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