任天堂Switch「5年目の刷新」に透ける自信と悩み 売れ行きはなお絶好調、ゆえに難しい「見極め」
環境もスイッチに味方した。2020年は新型コロナ禍で外出が制限される中、『あつまれ どうぶつの森』や、ゲームをしながら運動できる『リングフィットアドベンチャー』などのソフトが爆発的に売れた。一時は本体の品薄状態に陥るほどで、ハードの販売拡大に貢献している。
好調の背景にはスイッチの特性もある。通常の据え置き型ゲーム機なら「一家に1台」が基本。しかし、スイッチは携帯機としても遊べるため、めいめいの子どもに買い与える家庭も多い。
例えば、世界で3000万本以上売り上げた『あつまれ どうぶつの森』では、複数人でそれぞれに「島」を作りデータを保存したい場合、1人1台が必要になる。
任天堂の古川俊太郎社長も、「前期(2021年3月期)の(ライトを含む)スイッチ本体の販売台数のうち、約2割は家庭内の複数台需要によるもの」と、決算説明会で説明している。
ライフサイクルはすでに終盤にさしかかる
スイッチの販売拡大は任天堂の業績を押し上げた。2021年3月期決算では、純利益が4800億円超に到達。前期比で85%の急成長で、最高純益(2009年の2790億円)も大幅に更新した。
任天堂の歴史を見てもかつてないほど絶好調のスイッチだが、それゆえの“悩ましさ”も強まっている。
ゲーム機のライフサイクルは基本、6年程度といわれている。従前の任天堂の展開を見ても、そのくらいのタイミングで後継機を投入し切り替えを行ってきた。
スイッチはというと、2021年7月時点で発売から4年4カ月が経過。過去の経験からすれば、ライフサイクルはすでに終盤にさしかかり、後継機への切り替え時期を探り始める頃だ。
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