「GRヤリス」サーキット試乗でわかった真の実力 限界領域の走りをターザン山田がぶった斬る!

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2台のテストを終え、それぞれの違いについて語るターザン山田(東洋経済オンライン編集部撮影)

:GRヤリスでサーキットを走るならグレード選びが重要ですね! トルセンLSDが入っているのは、RZハイパフォーマンスだけなので、必然的に購入グレードが決まってきそうですね。

:今回のGRヤリス・インプレッション企画では、用途に合わせてグレードを選ぶ重要性を痛感したね。GRヤリスのターボモデルは、「RZ」「RZハイパフォーマンス」「RC」というラインナップがある。それぞれの用途が明確だよね。街乗りやワインディングを中心に考えるならスタンダードな「RZ」、普段の街乗りもするけど週末にサーキットも楽しみたいなんてユーザーは「RZハイパフォーマンス」、そして本格的なモータースポーツを目的にするなら「RC」って感じだね。トヨタが考えたGRヤリスのラインナップは理にかなっているし、納得できる。

ターザン山田総括、俺がほしいGRヤリスはこれだ!

:そんなラインナップの中で、山田さんがGRヤリスを買うならどのグレードですか?

:個人的には、モータースポーツ向けのRCをベースにチューニングしたいかな! RCはモータースポーツ用だけどナンバープレートも取得できるし、無駄な装備が付いていないので手頃な価格で車重も軽い。ストイックなモデルではあるけど、チューニングベースとしては最適だよね。

俺ならタイヤ&ホイールやブレーキパッド、サスペンションを変更して、さらに前後LSDを入れて、ブーストアップで300ps仕様みたいにチューニングするだろうね。欲を言えば、最終的にタービンを交換して400psオーバーなんてジャジャ馬にしてタイムアタックなんて夢を見ちゃうよ! エンジンの限界までパワーを絞り出して、それに合わせてデフやブレーキ、タイヤをセットアップして、最強のテンロクマシンに仕上げたい!  

最初は3気筒エンジンのGRヤリスとバカにしていたけど、実際に乗るとカタログ数値以上の速さで、ノーマルの完成度が異常に高いことに驚かされた。普通のコンパクトカーであるヤリスをスポーツ仕様にしたんじゃなく、まったく別のコンセプトでトヨタが作ったクルマということを改めて確認できたね。量産車だけど作り手の強い意志も感じられ、トヨタが本気で作ったオリジナルの4WDスポーツカーという価値を知ることができた。

:ということでサーキットインプレッションでは、幸運が重なり、RZとRZハイパフォーマンスの2台をテストすることができた。その中でグレードの違いはもちろん、ライトチューン仕様とノーマルも比較でき、大満足という山田さん。今後も当企画では、山田さんの気になるクルマを中心に、試乗インプレッションをお届けしていきたいと思うので、乞うご期待!

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山田 英二 レーシングドライバー

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やまだ えいじ / EIJI YAMADA

1962年4月25日生、奈良県出身。ターザン山田の愛称でも親しまれる。レーシングドライバーとして1979年から現在に至る。フォーミュラカーでスタートしたレース人生は、数多くの勝ち星やチャンピオンを世界中のサーキットで獲得。日産やスバルの契約ドライバーとして活動し、フェラーリ、ポルシェ、ランボルギーニなど数多くのレーシングカーのドライバーも務める。タイムアタックWTACオーストラリアで2年連続世界チャンピオンにも輝いた。日本は勿論アメリカ、ヨーロッパ、オーストラリア、中国など世界のサーキットを今も現役で活動している。

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