「せっかく〇〇したんだから…」の考えがヤバい訳 人生の停滞を生み出すサンクコストの正体

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サンクコストは「人間関係」にも生じます。

まず、対象となる人そのものではなく、その人の属性のほうに目がいくような人間関係は、正直なところ整理しても構わないと考えます。

ビジネスにおいては、属性を重視して付き合う人は往々にして存在します。「○○グループの本社に勤めている」「あの人は本部長だから」「この人と付き合っていると営業成績にプラスになるかも……」。

そんなビジネス上のメリットで人と付き合うことは、よくあることだと思います。

「別にいいんじゃないの? 仕事で関わる人すべてと親しくなるわけでもないし、仕事の関係ってそういうものでしょ?」と、思う人もいるかもしれません。

でも、それはちょっと甘い。

なぜなら、それは最も貴重なリソースである人生の「時間」を、好きでもない人に使っているからです。この損失は、本当に計り知れません。

もちろん、いま現在関わる仕事の案件において、大切にしたほうがいい人間関係はあるでしょう。ときには、決定権がある人と近づいておくことは、仕事をうまく進めるうえで役に立つこともあると思います。

でも、いま取り組んでいる案件が終われば、また別の案件がはじまります。そして、次の仕事でもまた、別の属性を持つ人が現れるのではないでしょうか。

また、仕事で関わる人がまったく変わらない場合は、なおさら上司や得意先など決定権がある人がつねに近くにいて、その人を振りまわしてしまうこともあるでしょう。

人生の時間が着実に減る

なにがいいたいのかというと、「仕事だから仕方ないでしょ」といっているうちに、その人が自分のために使えたかもしれない人生の時間が、着実に減っているということです。

さらにいえば、自分のリソースを自分でしっかり守る必要があるのは、属性重視の人間関係は往々にしていつまでも続いていくからです。よくあるパターンは、「あのときお世話になったから」「いいお客さんだったから」という関係。要するに、ひとつの案件が終わっても、属性だけの付き合いはいつまでも続きがちだということです。

そして、それらすべてが、気づかないうちにサンクコストになっていきます。

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