交易条件の悪化が日本経済をさらに圧迫している

仕入れ価格を転嫁できず企業のコスト増が続く

日本企業には我慢の時間帯が続く(写真:時事通信)

TOPIX(東証株価指数)とS&P500を比較すると、2021年3月以降、明確に両者のパフォーマンスに開きが出ている。年初来株価では、TOPIXが8.3%の上昇にとどまる一方で、S&P500は15.6%の上昇となっている(7月6日時点)。新型コロナウイルスのワクチン普及の遅れというテーマもあるが、交易条件の悪化による日本経済への悪影響も織り込まれている可能性が高い。

資源価格の上昇で交易条件が悪化

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交易条件とは、輸出物価指数を輸入物価指数で除した比率であり、輸出物価に対して輸入物価が上昇(下落)すると、交易条件は悪化(改善)し、自国にとって貿易を行うことが不利(有利)となる。足元では、原油など商品価格の上昇に伴って図のように、日本の交易条件は急速に悪化している。

(外部配信先では図表を閲覧できない場合があります。その際は東洋経済オンライン内でお読みください)

日本の輸入品目の内訳は、燃料や鉱産物、食料といった一次産品が輸入全体の約3割を占めている。そのため、輸入物価は一次産品の市況変動による影響を受けやすい。一方、輸出は一般機械、電気機器、輸送用機器などが輸出全体の約5割を占めている。価格競争の激しいこれらの品目ではコスト増を価格に転嫁することが難しく、交易条件が悪化しやすい。シェール革命の影響もあり、エネルギーの輸出国となったアメリカとはまったく逆の状況である。

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