月3万円分の服を買っていた男が気づいた不経済 1日当たりのコストを徹底的に考えてみた

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中年男性の皆さん、タンスに入らないほどの量の服を抱えていませんか?(写真:Pangaea/PIXTA )

「馬鹿なことをしちゃったなあ」

まあ、たびたびそんな反省を繰り返しているのですが、緊急事態宣言でヒマだった今年の3~4月もやっちゃったんですよね。ヒマすぎてネット通販にハマって、タンスに入らないくらいの量の洋服を買ってしまいました。

そのやっちゃったことをきちんと「見える化」してみました。以下は個人的なエピソードをかなり交えながら解説していきますが、まさに今の日本で起こっているリアルな経済の動きにつながる話です。順を追ってご説明していきましょう。購入した服は合計で60点。購入金額は12万円です。1点当たり2000円。

リストにしてチェックしてみたのですが、確かに買ったときはどれもちゃんと欲しかったものばかり。これは春先によさそうとか、今年の夏はこの色だとか、YouTubeに出演するときにこの服がよさそうとか全部理由はあります。

アラフィフ世代の若い頃とは服の価格が全然違う

でもタンスに入らないほどの量の服、必要とは思えないですね。実は50歳前後の世代にはこういう人が増えているのです。若かった頃と服の価格が全然違うからです。

私の世代の場合、自分で服を買うようになった学生時代当時は、長袖シャツやスラックスはだいたい1万円ぐらい、ブルゾンは1着3万円ぐらいというのが標準的な価格帯でした。昔、カジュアルウェアはとっても高かったのです。

1998年にユニクロが原宿店を開店して一大ブームになって、服の価格は驚くほど安くなりました。そのため長袖シャツが限定価格で1280円だとか値下げしたチノパンツが990円だとついつい買ってしまうわけです。

ここでクイズを出してみましょう。みなさん、今日来ている服の合計価格がいくらかざっとで構わないので答えられますか?

経済評論家として当ててみせましょう。30代女性読者の場合合計9000円、30代男性読者なら上から下まで全部で6000円ぐらいが平均像のはずです。

実はこれ、フェルミ推定からの推測値なのですが、算出の仕方はシンプルです。総務省が公表している家計調査の単身世帯の月当たりの服の支出額が34歳以下女性で6866円。これを30で割ると概算で1日当たりの服のコストがわかります。230円です。

それを平均して40回は着回しすると仮定すれば、購入価格は9000円程度ということになる。こうやって統計から日本人の服のコストの一般像を推定することができるわけです。

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