月3万円分の服を買っていた男が気づいた不経済 1日当たりのコストを徹底的に考えてみた

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私の場合は、2カ月間記録を続けていて1日の服のコストがだいたい1000円前後になることがわかりました。これを30倍するとちゃんと着ている分の服の購入額と一致するはずです。その金額は月3万円。世の中の平均よりはかなり高いことがわかりました。

まあ服が好きなのは昔から変わらない趣味なので、購入金額が世の中の平均よりも高いのは仕方ない。しかしよくよくわかったことはやはり購入した服の半分は着ていないようです。

そもそも私が気に入った服を複数買う理由は「お気に入りの服はだいたいダメになる」という経験則からです。気に入っているので毎日のように着る。すると高い確率でスパゲッティのミートソースが飛んだり、万年筆のインクが飛んだり、洗濯の際に他の服の赤い染料が色落ちしてうっすらと染まったりするわけです。

そうなって後悔しないようにバックアップをもう1着買っておく。その備えは経験論でいえば役に立つ一方で、一生のうちに陽の目をみない服も結構出てきます。

反省してみると今年3、4月に大量購入した際には「これは今年の夏に絶対着るだろうから」とか思って買っているのですが、よく考えてみると昨年の秋にも「このバーゲン品、来年の夏に着るだろうから」といって190円に値下がりしたジーユーのTシャツを7着も買っている。結果としてタンスの中身はまだ着ていない商品だらけなのです。

結局のところ、今の私のどうしようもなく服の在庫に囲まれてしまった状況を抜け出すには、メルカリで新品未使用の長期在庫商品を売り払うべきなのだということがよくわかりました。ないしはこれから10年間、服を買うのをやめるのか、どちらかでしょう。

ここ数年、薄々気づいているのですが「あー、あのときもう1着買っておけばよかった」と嘆くような商品はだいたいメルカリで売っています。新品がなくても「目立った傷や汚れなし」まで妥協すればもう手に入らない商品などないものです。

行動を見直してみたところ、購入額は低下

わたしの父は戦時中、食料が不足していた時代に育ったため、今でも食べ物は多めに買う傾向があると笑います。わたしは若いころ、いい服がなかなか手に入らなかったため、無駄に多く服を買うのかもしれません。

ちなみに今回、反省して、分析してみて、それで行動を変えたところ、今年5~6月の服の購入額は月1万5000円に下がりました。まだ高いけど、ここまで落とすのがわたしの世代の限界かな? とも思うのです。

鈴木 貴博 経済評論家、百年コンサルティング代表

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すずき たかひろ / Takahiro Suzuki

東京大学工学部物理工学科卒。ボストンコンサルティンググループ、ネットイヤーグループ(東証マザーズ上場)を経て2003年に独立。人材企業やIT企業の戦略コンサルティングの傍ら、経済評論家として活躍。人工知能が経済に与える影響についての論客としても知られる。著書に日本経済予言の書 2020年代、不安な未来の読み解き方』(PHP)、『仕事消滅 AIの時代を生き抜くために、いま私たちにできること』(講談社)、『戦略思考トレーニングシリーズ』(日経文庫)などがある。BS朝日『モノシリスト』準レギュラーなどテレビ出演も多い。オスカープロモーション所属。

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