ネトウヨは、卒業することを知らない 湯浅誠×やまもといちろう リベラル対談(前編)

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やまもと:ネット調査会社を使って、かなり定期的にちゃんと調べてるんですよ。でも、だいたい有権者の2%前後が右派思想の持ち主だ、と言われれば何となくそんな感じじゃないですか。ネットだと、だいたい「2ちゃんねる」にネトウヨが、ほぼすべて集まって日々頑張っておられます。

湯浅:ネトウヨの反対側の人たちは「2ちゃんねる」には集まっていないんですか?

やまもと:あ、「放射脳」ね。

湯浅:左の人を「2ちゃんねる」では「放射脳」って言うのですか?

やまもと:いや、本当の意味で右と左のように対称ではなくて、原発反対を過激に訴える人たちのことです。結局「放射脳」の人もネトウヨも、基本的にはものごとを中立的に理解するリテラシーを欠いていたり、制御できるかもしれないリスクを過大に評価する人たちの集まりですよ。本当のマジョリティーというのはもっともっと穏便なもんです。

湯浅:やまもとさん….(苦笑)

私は純粋なる保守主義者

やまもと:だってそうなんだもん。しかるべき教育を受けて物事を考える能力があり、相応の立場にいる人が、人前で日本は神の国だとか、従軍慰安婦問題の偏向報道は是正するべきだとか、南京大虐殺はなかったとか、言うかといったら言わないですよ。でしょう?

湯浅:ですね。

やまもと:たまにネトウヨを自認する人たちからイベントとか何とか動画に呼ばれて、しゃべってくれと言われて行くじゃないですか。そうすると、「やまもとさん、南京大虐殺はなかったですよね?」なんて言われるんですよ。「いや、あっただろ。ねえわけねえだろ」みたいな。(苦笑)

そしたら、次は「日本は侵略戦争してないですよね?」とか言うわけですよ。「したじゃん」みたいな(笑)。過剰に戦争を反省するべき時期は過ぎたけど、でも歴史的にはそう見られても仕方の無いこともあった。南京大虐殺にしたって、中国政府が言ったような人数については異論はあるし、そこは反論しなければならない、日本人としてね。だけど、さすがに無かったことにしちゃ駄目だ。

従軍慰安婦にしたって、いまごろ出てきている韓国人の老婆の被害告白なんてたいていがガセでしょう。だから日本人としてガセはいかんと言うことはしても、一応は旧日本軍が商売女を抱えてあれこれやっていたのだから、そこはいまの常識に照らし合わせて「辛い思いをさせて済まなかった」という態度をとっておくのは必要なことでしょう。

湯浅:なんでネトウヨの人たちは、やまもとさんを担ごうとするんですか?

やまもと:自分ではそんなつもりはないんですが、一時期はネトウヨの親玉みたいな思われ方をしました。全然違うわけですけど。私は純粋なる保守主義者(バーキアン)ですよ。

湯浅:そうなんだ。

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