コロナ後へ始動「ニューヨーク」家賃急上昇の衝撃 7割の人がワクチン1回目終了、経済活動を再開

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約1年前にはここ数年で見ることがなかったほど家賃が下落したマンハッタンですが、street easyという物件検索サイトのレポートによるとワクチンの普及とともに4月頃から家賃の上昇がまた始まったと報告されています。パンデミック中に市外へと脱出した人たちもいよいよ市内に戻って来ているようです。

筆者は8月のアパート更新に向け、新しいアパートを見つけようと毎日物件サイトを血眼になって見ていました。するとすでに物件争いは激化していて、いい物件は借主、購入主が実際に見ることなく契約が成立しているとのこと。要はいい物件は瞬時になくなってしまうので、物件を見ないでみんな契約してしまうそう。

さらに、アメリカは9月から新学期で、オンラインから対面授業に切り替わるところが多いため、学生の間でも現在アパートを探している人が増えてきています。8月からの入居となると不動産屋も7月に入ってからでないと契約してくれないので、いい物件を見つけたら早めから引っ越すしかありません。

オフィスが多いミッドタウンはいい物件が残っている

面白いのはマンハッタンの中でもローワーイーストサイドやファイナンシャルディストリクトのように、レストランが多く、金融関係の職場もあってオフィス勤務が再開するエリア、繁華街的なエリアの家賃に上昇が見られました。小さいマンハッタン島の中でもオフィスが多いミッドタウンはまだまだ人が少なく、家賃も押さえられているようでいい物件が残っているようです。

筆者は事情によりファイナンシャルディストリクトで新しいアパートを探していましたが、いい物件はすぐに契約されてしまうので、今回も70%納得、という家を内見したすぐ後に電話をしてブロックしました。不動産業者も今はすでに家探しが激化していると話していたので、経済も回復してきているのだなと感じる次第。

内見したところも家賃高いな~! と感じる家なのですが、過去の家賃推移を見ると、2019年に比べ毎月の家賃が$900下がっているのでびっくり! 逆にいうとこの条件でプラス$900は払えないので、マンハッタンの家賃基準は恐ろしいものです。家探しは激化しているとはいえ、まだまだ遅くない! 今が探し時のようです。

活気を取り戻してきたニューヨークですが、まだまだパンデミック中に悪くなった治安は元には戻っていません。筆者は二人の女性の友人が地下鉄で黒人に襲われ、一人は顔面パンチ、一人は罵声を浴びせられています。他の知り合いは白昼マンハッタンのど真ん中で人が刺される現場に遭遇するなどまだまだ気をつけて行動しなくてはなりません。

(取材・文/菅 礼子)

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