ホンダ「11代目シビック」遂にベールを脱いだ全貌 さらに大型化、国内では5ドア・ハッチを導入

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純正アクセサリーを装着した新型シビックのリアビュー(筆者撮影)

先代シビックは、登場した2017年からの国内販売台数は累計で約3万5000台。かつて爆発的ともいえる人気を誇ったシビックにしては、やや寂しい数値だ。もちろん、今では採用モデルの数が少なくなった6速MTを設定することで、走りを楽しみたいコアなユーザー層には有り難いだろうが、販売面では昔の存在感はない。

ホンダによると、それでも海外も含めた2020年度における年間販売台数は68万台にも及ぶ。中でも北米が約4割、中国が約4割で、全体の約8割が集中しているという。国内では、あまり街を走る姿を見かけなくなったシビックだが、グローバルでは依然としてホンダの主力商品のひとつだといえる。

注目度の高いe:HEVやタイプRの発売は2022年

ただし、新型は国内でも先代以上に売れる可能性はある。それは、2022年に発売されるという、独自の2モーターハイブリッドシステム「e:HEV」搭載車の登場だ。今や、国内では同一車種でガソリン車とハイブリッド車があれば、ハイブリッド車を選ぶユーザーの方が多いモデルも増えてきた。また、ハイブリッド車の設定があり、海外ではライバルであるトヨタ「カローラ」が、国内でも2020年度(1月~12月)の新車販売台数ランキングで3位(11万8276台)となっている(同期のシビックは50位以下)。

つまり同カテゴリーのシビックにも、商品ラインナップ次第でニーズは十分あるのだ。それらを総合して推測すると、環境性能と走行性能を両立したハイブリッド車の追加により、国内でもシビックの存在感がより高まることが期待できる。

e:HEVやタイプRの発売は2022年予定となっている(筆者撮影)

やはり2022年には、スポーツ仕様の「タイプR」も販売が予定されている。こちらも詳細はまだ不明だが、外装のエアロパーツを追加し走行性能などを向上させた先代のタイプRは2020年10月にスタンダード、11月に200台限定のリミテッドエディションが発売され、いずれも現在は生産予定台数に達し販売を終了している。昔からのホンダ・ファンやスポーツカー愛好家には、新型のタイプRはかなり待ち遠しいだろう。あくまで推測だが、通常のガソリン車に加え、ハイブリッド車のタイプRなんて仕様が出ても面白いだろう。

なお、新型シビックの発売は2021年秋に予定されている。価格もまだ未公表だが、先代が税込294万8000円であったから、装備のアップグレードなどを考えると300万円台にアップされることも予想される。

平塚 直樹 ライター&エディター

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ひらつか なおき / Naoki Hiratsuka

1965年、福岡県生まれ。福岡大学法学部卒業。自動車系出版社3社を渡り歩き、バイク、自動車、バス釣りなどの専門雑誌やウェブメディアの編集者を経てフリーランスに。生粋の文系ながら、近年は自動運転や自動車部品、ITなど、テクノロジー分野の取材・執筆にも挑戦。ほかにも、キャンピングカーや福祉車両など、4輪・2輪の幅広い分野の記事を手掛ける。知らない事も「聞けば分かる」の精神で、一般人目線の「分かりやすい文章」を信条に日々奮闘中。バイクと猫好き。

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