約3800社ある上場企業から、業績見通しや株価の状況、テーマ性などを考慮した注目の500銘柄を掲載している投資情報誌『会社四季報プロ500』。6月18日に発売となった最新の2021年夏号では、脱炭素、水素・アンモニア、自動運転、アクティビスト、キャッシュレス、eスポーツといった話題の相場テーマと関連銘柄を紹介している。
その注目テーマの一つが「好業績」だ。アメリカでは新型コロナのワクチン効果により経済活動が回復期に入る一方、4月の消費者物価指数(CPI)が前年同月比4.2%と大幅上昇、5月も同5.0%上昇と加速するなど、インフレ懸念が浮上している。
20年ぶりに最高益を更新する会社
アメリカの金融当局は一時的な動きとの見方を示すものの、今後予定されているFOMC(連邦公開市場委員会)や、ワイオミング州ジャクソンホールで8月下旬に開催される恒例の経済政策シンポジウムで、債券購入を縮小するテーパリングの議論が始まると予想されている。
日本の株式市場にも大きな影響をもたらすアメリカでの金融緩和縮小が予想される局面となり、株価を見ていくうえでこれまで以上に重要性が増すのが各企業の業績動向だ。
プロ500では、数年ぶり、十数年ぶりに最高益を更新する企業や、連続最高益など、さまざまなパターンの好業績企業に着目(最高益は純利益ベース)。売上や営業益が2桁増を続ける高成長企業や、苦戦した前期から営業益がV字回復する企業、前期赤字から黒字化する企業にも注目した。
今回はその中から「久しぶり最高益」の企業について、全上場企業を対象とした50社のランキングを作成。今期純益予想が10億円以上で、時価総額100億円以上の会社に限定し、特別利益等で純益がかさ上げされている企業を除外するため、予想純益が経常益の0.8倍以上の会社を除くといった条件も入れている。
トップは2021年6月期に20年ぶり(2001年6月期以来)に最高益を更新する見通しのキングジム。コロナ禍による巣ごもり需要が家具ECや生活家電等に追い風となったほか、手をかざすと消毒液が出てくる自動手指消毒器「テッテ」の販売が好調なことが業績を押し上げた。
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