返り咲き!久しぶりの「最高益更新」トップ50社 復活組は半導体や「ウマ娘」など顔ぶれ多彩

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2位のアルペンは2006年6月期以来、15年ぶりの最高益更新。コロナ対策需要が追い風で、3密を避けるレジャーとして人気が高まっているキャンプなどアウトドア用品やゴルフ用品の販売増が業績の飛躍につながっている。好業績を追い風に、株価も2007年以来の高値水準まで上昇している。

アウトドア関連では、同じくキャンプ用品やゴルフ用品を展開するスポーツ小売りチェーンのヒマラヤも14位にランクイン。お笑い芸人ヒロシのYouTubeチャンネルが火付け役となった「ソロキャン」(1人でのキャンプ泊)人気も高まっており、アウトドア用品の売上が拡大している。こちらは2015年8月期以来となる6年ぶりの最高益更新となった。

ロードバイクやMTB等の自転車の変速機やブレーキ等部品で世界首位のシマノも好調だ。コロナを契機に世界的に自転車の需要が急増。変速機等の部品の供給に遅れも発生しており、ロードバイク等の販売店がメーカーに完成車を注文しても、部品の関係でいつ入荷するか見通しがつかない車種もあるほど。シマノはフル生産で需要増に対応。採算も向上しており、こちらも6年ぶりに最高益を更新する見通しだ。

雌伏の時を乗り越えた企業も

久しぶりに最高益を更新する企業の中には、構造改革などの企業努力による変貌や外部環境の変化により、停滞期を乗り越えた企業もある。

半導体パッケージの新光電気工業は、2007年3月期以来、実に15年ぶりに最高益を更新する計画で2位となった。09年3月期にはパッケージの不調や円高などが直撃し赤字に転落するなど苦しい時期を乗り越え、業績は再び好況を謳歌している。

2022年3月期はPCやデータセンター用サーバーに搭載される高性能半導体向けにパッケージが大幅増。半導体製造装置向け静電チャックも活況だ。5Gの実用化やIoT化、EVや自動運転などの技術革新が起きている自動車など、半導体を取り巻く環境変化が追い風となっている。

1本のスマホゲームが15年9月期以来、6年ぶりの最高益をもたらしたケースもある。競走馬を擬人化した育成シミュレーションゲーム『ウマ娘 プリティダービー』のヒットに沸くサイバーエージェントだ。2021年2月の配信開始から4カ月で800万ダウンロードを突破。課金収入が急拡大している。2016年から続けてきた漫画やライブイベント、アニメ等のクロスメディア展開によるファン層開拓が花開いた状況だ。

過去の好業績から雌伏の時を経て、再び時代の追い風を受ける「久しぶり最高益」企業。こうした企業の過去の最高益と足元の最高益の要因の違いを分析することで、企業を取り巻く事業環境や、事業構造の変化が見えてくるかもしれない。

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