裁判百年史ものがたり 夏樹静子著 ~司法の当事者にこそ読ませたい労作


 そのいくつかは映画にもなった。『帝銀事件・死刑囚』(熊井啓)、『松川事件』(山本薩夫)、『八海事件・真昼の暗黒』(今井正)、連続射殺魔永山則夫を描いた『裸の十九歳』(新藤兼人)等、どれも忘れられない作品となっている。驚いたことに、そのほとんどは冤罪事件である。

八海事件では、冤罪が無罪になるまで18年かかった。そういう先人の苦闘の歴史があるにもかかわらず足利事件や松本サリン事件等、冤罪事件があとを絶たないのはなぜか。

本書は、司法の当事者にこそ読ませたい労作である。

なつき・しずこ
東京生まれ。慶應義塾大学英文学科卒。1973年、『蒸発』で第26回日本推理作家協会賞受賞。89年、仏語訳『第三の女』で第54回フランス犯罪小説大賞受賞、2006年に女性作家では初めて、日本ミステリー文学大賞を受賞する。

文藝春秋 1995円 286ページ

  

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