運賃・所要時間・本数で比較、首都圏「便利な路線」 同じ距離ならどの線がおトク?比べてみると…
20kmまで来ると、JRと山手線南西側の私鉄の運賃差が100円近く開いてくる。例えば東急田園都市線市が尾は渋谷から280円、小田急線百合ヶ丘は新宿から290円だが、JR中央線の国分寺は新宿から400円だ。ただ、私鉄でも山手線東側の各線は50円差くらいに縮まり、運賃面では西低東高といった印象だ。JRは400円程度の水準だが、京急が並走する東海道線だけは300円に抑えられている。
ここから運賃の高さが際立ってくるのが北総線だ。前述した東急田園都市線の市が尾が渋谷から20kmで280円なのに対し、北総線はほぼ同距離の日本橋から東松戸まで830円と3倍もの開きがある。
つくばエクスプレスですら2倍の水準だが、北総線は都営浅草線、京成押上線が間に入ることによって3社で運賃を取られ、さらに北総線単体の運賃も高水準なためこんなに高くなってしまう。それでいて、速達性はあっても本数などの利便性は望めない。何とかできないものだろうか。あるいはセレブが住みたいと思う沿線にするかだ。
30km圏、速さが光るJR
30km圏はターミナル駅からだいたい30分超かかるエリアだ。その中で速いのはJR、京急、京王、つくばエクスプレスで、とくに中央線快速は日野まで26分、常磐線は柏まで25分。杉並区内のノロノロ運転で遅いイメージがある中央線快速はなかなか速い。新宿―国立間と総武快速線の東京―船橋間がほぼ同じ25km前後で、どちらも25分程度で行ける。
一方で私鉄各線は京急(品川―上大岡間27分)を筆頭に、京王(高幡不動)とつくばエクスプレス(柏の葉キャンパス)がちょうど30分で、ほかは30分台後半が多い。私鉄の中でも運賃が高いイメージのつくばエクスプレスだが、この距離帯になると日本橋―京成線方面の運賃水準にだいぶ近くなってくる。JRを意識して運賃設定したと言われているだけあって、JRとの差額も少なくなる。
有効本数の点では、この距離帯で急行・快速の通過駅なのに停車本数と有効本数が同じ駅は、どの列車に乗っても急行・快速にほぼ確実に乗り継げる優秀な路線だ。
その点では平日の青梅線がひどい。毎時4〜5本中3本が中央線直通だが、うち1本は後続の青梅特快に抜かれる。立川発着の列車で中央特快に乗り継げるものもあるが、毎時4〜5本のうち、新宿方面へ行くのに使えるのは3本しかない。有効本数が毎時6本あるお隣の西武新宿線・拝島線のほうが便利だ。
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