横浜に登場「都市型ロープウェー」は世界で活躍 増える導入、NYやロンドンで観光と日常の足に

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長江索道の開業は1987年で、川の両岸を行き来する住民の足として建設された。だが、かつては交通機関としての利用が多かったものの、現在は橋やモノレールなど交通手段が充実したため、観光客向けの乗り物となっている。最高地点は水面から215mの高さがある。

中国・重慶の長江索道。長江の両岸を結ぶ交通機関として開業した(写真:plej92/iStock)

NYやロンドンのロープウェーは、観光客には都市景観を眺めるアトラクションとして親しまれている。例えばNYではゴンドラから眺めるマンハッタンの街並みや並行するクイーンズボロ橋は見応えのある風景だ。ロンドンでは、近くにあるロンドン・シティ空港へと着陸する旅客機がゴンドラの至近距離を通過していくシーンが見られる。一方で通勤など地元住民の移動にも使われる「交通機関」だ。

都市交通か観光の手段か

また、これらのロープウェーは日本でいえばSuicaやICOCAなどのような、地下鉄や市内バスなど都市交通で広範に使用できるICカード(NYはメトロカード、ロンドンはオイスター)を使って乗車できるシステムが整っている点も、都市交通の一部となっていることの表れといえる。したがってロープウェーに乗るために乗車券を買う手間がない。ICカードを持っていれば乗れるという利便性は外国からの訪問者にとってはありがたいシステムだ。

ロンドンのエミレーツ・エアーラインは交通系ICカードが利用できる(筆者撮影)

一方、横浜のロープウェーは都市型であり海をまたいではいるものの、距離が約600mと短いこともあり、移動手段というよりはやはり景色を楽しむ観光需要が主体だろう。交通系ICカードは使えず、一方でみなとみらいの名所である大観覧車とのセット券がある点も観光向けであることを示しているといえる。

では、横浜のように都市型だが純粋に観光向けといえそうな例はあるだろうか。欧州ではポルトガル北部の大都市・ポルトのドウロ川を挟んだ対岸の街、ヴィラ・ノヴァ・デ・ガイア(Vila Nova de Gaia、一般的にガイアと呼ばれる)のロープウェー「ガイア・ロープウェー(The Gaia Cable Car = Teleférico de Gaia)が近そうだ。

ガイア・ロープウェーは2011年に運行を開始し、全長562m、所要5分、8人乗りのゴンドラが循環する形で、規模的にも横浜に近い。

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