路線バスで巡る「レトロな横浜」のんびり日帰り旅 バラ園に氷川丸見学、意外と知らない街の一面

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バス停に戻り、13時38分発の「あかいくつ」をつかまえる。バスは元町入口まで戻ると、Uターンするような形で海岸方向へ進む。山下橋を右手に見て左折し、「山下公園」の緑に沿って走る。左手に「マリンタワー」がそびえているが、2022年春までの予定で改修工事中である。そこで「日本郵船氷川丸」を見学するために、一つ先の山下公園前バス停で降車ボタンを押した。

氷川丸は、1930年に日本郵船が建造した貨客船である。シアトル航路に就航し、30年の間に太平洋を254回横断した。「山下公園」に係留保存されたのは1961年というから、先ほどの「港の見える丘公園」の開園とほぼ同じ時期ということになる。

入館料(一般300円/「みなとぶらりチケット」提示で250円)を払い、まずはBデッキに乗船する。一等食堂のテーブルには、ローストビーフや赤ワインなど一等船客のメニューが再現されている。一つ上のAデッキには、一等客室と一等社交室がある。社交室はダンスパーティーの会場だったという。各部屋には優雅なアール・デコの装飾が施され、昭和初期の華やかな客船文化を知ることができる。この船で太平洋を越えたのは、どんな人たちだったのだろう。

氷川丸の一等客室

最上階の操舵室と船長室、船底の機関室も見学する。竣工当時のまま残るエンジンは、貴重な産業遺産として評価されているそうだ。

ベイサイドブルーも

山下公園前をブルーメタリックの長い車体の連節バスが通過する。横浜市営バスが2020年の夏に運行を開始した「ベイサイドブルー」だ。横浜駅からみなとみらい地区を経由して山下ふ頭まで30分間隔で往復しており、通勤と観光、双方の足として、次第に利用者が増えつつある。

Ryuji / PIXTA
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